令和7年税制改正の大綱の感想 その2

こんにちは

お金のたまご ファイナンシャルプランナーの内田です。

タイトルにある令和7年の税制改正の大綱が、本日閣議決定したそうです。

詳しくはこちら

閣議とは内閣で行われる会議のことなので、まだ「令和7年からこうなりますよ」というものではないですが、国会の審議を通過すればこの通りになりますよというものです。

なので、あらかたの道筋が見えたということになりますね。

前回の記事で触れた「103万の壁」はやはり123万円で閣議決定したみたいです。

FPとして気になるのはiDeCoの金額上限の引き上げと、退職所得控除を使用する場合の待機期間の延長(5年が10年になる)というところです。



1、金額上限の引き上げについて

サラリーマンの方に関しては、いままでは拠出額についていろいろ制限がありました。
大体サラリーマンの方の上限は23、000円までだったと思います。

今回これを62000円に引き上げるという事になりました。
これはかなり思い切った改正でないかと思います。

逆をいうと、それだけ自分で年金を備えておいてね…というメッセージである気もします。

とりあえず、老後に向けて貯蓄をしている方は、iDeCoで貯蓄をすれば、預けた分は所得控除となり、税金が小さくなります。
年末調整後の還付金が楽しみですね!

iDeCoは60歳まで引き出せないのがデメリット…なんていうことをたまに聞きますが、老後の資金なので引き出してはいけないですよね(笑)

他にもNISAと違ってリバランスができるなど、iDeCoにはいいところがあるのでしっかり利用したい制度だと思います。

自営業の方(年金の第一号被保険者)の場合、上限がもっと大きくなり、月額75、000円が上限となります。
厚生年金がない分、しっかり積み立てをしておきたいですね。

2、退職所得について

退職金にどうやって税金が課されるかみなさんはご存じでしょうか?
退職金は「退職所得」といい、特殊な計算をして税金を計算します。
とのときに「退職所得控除」というものを計算する必要があります。

勤務期間がながくなればなるほど、退職所得控除も大きくなるんですね。
長く勤めれば努めるほど、退職金にかかる税金が安くなるんです。

例1
20年勤務だと 20年×40万円=800万円
800万円分までは退職金に税金がかかりません。

例2
30年勤務だと、800万円+70×10年=1500万円
1500万円までは退職金に税金がかかりません。

そして、iDeCoというのは、退職金扱いになるため、上手にうけとれば、この退職所得控除がたくさん使えます。

上手とは??
iDeCoを先に受け取り、5年たってから会社の退職金を受け取るという方法です。
60歳まではiDeCoが解約できないので…
60歳でiDeCoを解約、65歳で退職金を受け取るという方法です。
65歳定年制度が広まってくれば利用できそうですよね?

ただし!!
今回の改正ではその「5年たったら」という期間にメスが入るようです。


そう、5年を10年に延長するということですね。

今までは…

例えば、勤続30年、iDeCo15年の加入
iDeCo1000万円
退職金2000万円
とすると、
iDeCo受け取り時は15年分の退職所得控除が利用できるため、
1000万円ー15年×40万円=400万円
400万円×1/2=200万円 に所得税・住民税が課税される

退職金受け取り時は、30年分の退職所得控除が利用できるため、
2000万円ー(800万円+10年×70万円)=500万円
500万円×1/2=250万円 に所得税・住民税が課税される

これからは…
同じ状況とすると
iDeCoは同じく200万円に所得税・住民税が課税されるが、
退職金のときに、iDeCoで使用した15年分の退職所得控除が差し引かれるため、
2000万円ー(30年ー15年)×40万円=1400万円
1400万円×1/2=700万円 に所得税・住民税が課税される

課税対象が450万円も増えるわけです。



まとめ・感想

これってつまり、70歳まで定年制度にして、長く働いてください

というメッセージなのかなと思ってしまいました。
でも、人には健康寿命というものがあります。
人生100年時代とはいいますが、元気でたくさん動き回れるのは75歳までと言われています。

私は税金のことにとらわれず、60歳、65歳くらいまでにはしっかり資産を形成しきって、そこからの10~15年は自分のために人生謳歌していただいた方が、消費も増えて日本が元気になるとおもいます。
皆さんはどう思われますか??

iDeCoやNISA,保険をつかってどう資産形成をしていくか…
お金のたまごではいろいろなお客様からご相談を頂いております。
資産形成に不安をお持ちの方、ご相談いただけたらいろいろな例を踏まえながら、一緒に資産形成していけますので一度ご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました!



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