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「お金」はどこに向かうのか - 深夜に唐突な「戒厳令」?!

  12/3(深夜)韓国政府: ”憲政秩序を守るため、非常戒厳を宣布”

 11/26 「トランプ2.0」の衝撃Ⅲ - アメリカは「鎖国」に向かうのか?|損切丸 で「ウォン安」には言及していたが、このところの不調ぶりは目を覆うばかり。KOSPI指数と併せて独歩安の様相を呈しており、まさに「キャピタルフライト」(資本逃避)の様相。「ルーブル」とともに「円安」を下回る "最弱通貨" に転落している

 そんな中突然出てきた「戒厳令」。映画にもあったが1980年代の金融危機を想起させるニュースが飛び込んできて、一瞬 "北" と「戦争」が始まったのかと思った。「ウォン」は対ドルで@1430台まで暴落。現段階では「野党」との政治闘争に関わる事態のようだが、現在の「野党」が "北" 寄りなのは周知の事実。あながち無関係ともいえない

 必死の「介入」が続く「ルーブル」も危機は去っていない。 "逃避先" と見られるビットコイン(BTC)への「買い」は「円キャリートレード」解消に伴う「売り」とのせめぎ合いが続く。「ウォン」の "逃避先" である「円」は買われて対ドルで@148円台に突入しており、事態は複雑化している

 そして今週末には毎月 ”祭り” が展開されてきた10月の米雇用統計。こんな状況では大荒れは必至。10月米ISM製造業PMIは中立の内容だったが、まずは今日(12/4)のADB非農業部門雇用者数。完全にリンクする訳ではないが、雇用統計の前哨戦になる ↓ 

12/2 11月米ISM製造業PMI 48.4 予想 46.9 前月 46.5
 *雇用 48.1 予想 51.0 前月 44.4
 *新規受注 50.4 予想 45.0 前月 47.1
 *仕入価格 50.3 予想 54.2 前月 54.8

12/4 ADB非農業部門雇用者数(NFP、Non-farm Payrolls)
 予想 +20万人 前月 +23.3万人

12/6 11月米雇用統計: 失業率 予想 4.1% 前月 4.1% 
 NFP 予想 +18万人 前月 +1.2万人
 平均時給(前年比) 予想 +3.8% 前月 +4.0%

 一体「お金」はどこからどこへ向かうのか

 投資銀行の「資金繰り」を担ってきた「損切丸」の視点はここに集約される。株もFXも暗号資産も最終的には "マネーシフト" -「お金」の行き先|損切丸 に帰結する。*ヘッジファンド(HF)が「空売り」「空買い」を仕掛けるのもその動きを「先回り」しようとしているだけ。 "分析" "読み" が外れればいくら巨額の売買を仕掛けても「損切り」に終わってしまう

 *HFのトレーダーは一般に「投機筋」≓ ”博打打ち” と思われがちだが、実は理論派で賢い人が多い(そうでないとあれだけの高給取りにはなれない)。だから「戒厳令」とか「戦争」とか予想外の突発事態は苦手だったりする。予測不能の 「トランプ2.0」の衝撃Ⅲ - アメリカは「鎖国」に向かうのか?|損切丸 を疎ましく思っている人は案外多い

 ” Flight to Quality" (質への逃避)

 大体こういう ”不測の事態” では「お金」は「安全」を追う。真っ先に買われそうなのが米国債JGB(日本国債)、ドイツ国債だが、どうもこの「安全」、真偽が怪しくなっているHFを中心に巨額のポジションを組んでいるからだ。「AI」時代に相応しく、その傾向は ”ブーム” になったもの ≓投資利回りが良かった相場に偏る

 今ならBTCと「円売り」≓「円キャリートレード」だろう。おそらく数10兆~100兆円単位のポジションが "キャリー" されており、だから筆者も 「ルーブル」 ”静かなる暴落” vs 「円」 ”静かなる買い戻し” |損切丸 で動きを警戒している。「安全」を追ってリスクを減らせば「円買い戻し」「BTC売り」となるが、あとは「ウォン」「ルーブル」辺りから逃げ出した「お金」がどこへ向かうか。この判断は非常に難しい

 読み切れない相場要因の代表が「戦争」「デフォルト」(債務不履行、破産)だが、それでも 「金利」が下がっているうちは大丈夫|損切丸  本当にやばいのは 続・「本物の危機」の時、金利は上昇する。ー 「逃げ惑うお金」の帰結は?|損切丸 「金利」の急上昇 ≓ 「お金」が無くなるからだ。こうなるとマーケットでは「換金売り」が広がり収拾がつかなくなる「世界恐慌」(1929)も「ブラックマンデー」(1987)も「リーマンショック」(2008)も全て同じパターン

 どこかの著名人のように「日経平均が@2,000円になる」なんて極端な事を言うつもりも無いが、今(12/3深夜)も「ウォン」が@1443台までぶっ飛んでいてちょっと怖い。ここで米国債やJGB(日本国債)の金利が「低下」から「上昇」に転じるようなら「理屈」は捨てなければいけなくなる。アジアでも "戦端" が開かれるなんて考えたくも無いが…

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