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続・「高金利時代」再び? - もう期待できない日本の「バズーカ」
米5年債入札結果:
最高落札利回り @4.553% WI(発行前取引)@4.540%
応札倍率 2.30倍 前回 2.47倍
*今週の入札総額は6,000億ドル超
「レンジ相場」で仕掛ける第2の「キャリートレード」 ”ボラティリティー・ショート” |損切丸 (note.com) なんて書いていたら米国債が動いた。
要因は国債入札。5年債 ↑ 、2年債とも思ったより札が入らず急落(金利急上昇)の引き金となった
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ただ市場の反応を見ると2022~2023のようにファンドが嬉々として売っているのではなく、どちらかというと虚を突かれて嫌々売っている感じ。FXも同様でドル円は再び@157円を超えてきたがこれまでのようなイケイケドンドンとは様子が違って見える
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ここで頭をもたげてくるのが 前稿.「高金利時代」再び? - 「インフレ」>「景気減速」の金融政策|損切丸 (note.com) 買いバイアスのかかっている「AI」プログラムは "実需の買い" が細る売り相場が大嫌い
やはり日本の「バズーカ」を期待できない事が尾を引いている
「金利」は時に「為替」より怖ろしい|損切丸 (note.com) でも書いたが、ドル債で▼2兆円も「損」したN中金に数千億円も擦った地銀の影響は計り知れない。特に金利上昇局面では ”ラストリゾート”(最後の買い手)的な役割を果たしてきた邦銀の退場は今後ジワジワ効いてくるだろう
あれだけ6月に「利下げ」すると喧伝してしまったECBはもう引っ込みがつかなくなっているが、7月以降の追加利下げにはメンバーから否定的な見解が出てきており微妙な変化が見て取れる。筆者は「本当にこんな状況で利下げするのかよ」が本音だが「インフレ」のぶり返しが怖い。ラガルド総裁も「インフレ」に甘く「利上げ」判断を誤っており、どうも信用ならない
その辺りはマーケットも同感のようで、米国債に連れて欧州国債も長期金利がむしろ上昇している。そこにJGBが参戦してきたわけで「円」の日本帰りは無視できない要因になってきた
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日銀でも内田副総裁が「自然利子率」という言葉を使い始め 「中立金利」を巡る議論。ー 最早「マイナス金利政策」など論外。|損切丸 (note.com) が盛んになってきた。「利上げ」の着地点=ターミナルレートをマーケットと共有するための方策だが、FRBが上乗せ金利を「R+」(アールプラス)と呼んで+0.6~1.0%と想定しているのに対し、米国との景況感の差から日銀は「0」に近いとの立場のようだ
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ECBの「R+」が+0.5%とするとそれぞれの政策金利が「中立金利」に向かっていると推定される。日銀はおそらく@1.5%近辺。面白いのは3極とも10年超の長期金利が「中立金利」を上回っている事。それだけ「インフレ」懸念が強いとも言えるし将来的に「お金」が足りない事も示唆している
これらの "金利のメッセージ" (Message in a Yield)|損切丸 (note.com) は今後の「お金」の大移動を示唆しており、為替(FX)、株、国債、コモディティ(商品市場)、暗号資産等を通じて価格が動いていく
やはり ”台風の目” は日本。30年近く「過剰流動性」を安定的に供給してきた「基地」の撤退は無視できない。*「円安」で追い詰められた日銀はもはや「金融緩和」に逃げる事が出来ず、仮に「スタグフレーション」に陥っても金利は「中立金利」に向けて「利上げ」していくしかない
*「利上げなど出来ない」「消費税減税しかない」など的外れな言説が散見されるが、どちらも「インフレ」「スタグフレーション」では御法度。未だに日本が「お金持ち」だという "幻想" から抜け切れないのだろうが、 アルゼンチンが示唆する「日本の未来」|損切丸 (note.com) を考えれば自ずとわかる。もうこの国にそんな「お金」の余裕はない。国民生活の困窮そのものがその事を証明している
金利上昇(価格下落)が止まらないJGB ↓ がそういう状況を如実に現している。金融政策運営を誤れば「インフレ」「スタグフレーション」に襲われるのは日米欧ともに共通項であり、その巧拙がFXに反映されるだろう。「利上げ」を不要に遅らせたり拙速な「利下げ」はマーケットに厳しく罰せられる。この国も「介入」等で市場を制御するのではなく、その意見に耳を傾ける時に来ている。「投機」なんて言い放つのはもう止めた方がいい
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