逃げ出す「お金」。向かう先は...@2024
海外からの対中国直接投資が2023年は前年比▼80%以上も減ったという。不思議なのは中国政府がこんなやばそうなデータをわざわざ公表したこと。疑念を持たれている前期GDP+5.2%を発表した後だけに真意を測りかねる
投資の減少は海外からの「お金」の受け皿として機能してきた香港ハンセン指数のチャートとピタリ符合する
最近のメディアの報道もおかしい。「春節」絡みでも ”延べ” 90億人が移動するとか、昨年より消費が堅調とか ”提灯記事” ばかり。検証もせず向こうの受け売りでニュースを垂れ流している本邦メディアもどうかしているが、何か ”裏” があるのかと勘ぐってしまう。春節明けの株式市場も反発を煽る記事が並び違和感が拭えない(実際は上がらなかった)
日本の貿易収支 ↓ もそうだが、対外的な「お金」のやり取りは操作するのが難しい。だから対中投資のデータだけは "FACT" (事実)だろう
日本の貿易赤字は「円安」による「資本流出」を起こしたが、対中投資の減少は「中国株安+人民元安」となって現れている
ここで敢えてこの数字を公表するのは「助けて!」という事なのか?
政治的な動きを追っても最近はまず「最上顧客・アメリカ」との妥協点を探ろうとしているし、日本やドイツの経済団体を呼び寄せて「お金」を普請している様がアリアリ。ドイツはかろうじて+4%程度の投資増額を余儀なくされているが、あれだけ中国に傾斜してしまうと ”死なば諸共”
「転勤辞令」には絶対服従の日本人には理解しにくいかもしれないが、対欧米で考えると例の「スパイ防止法」が痛かった。家族が反対すれば海外駐在を強制することができないからだ。かつて「イギリス」だった「香港」では一律@20%の所得税のメリットを享受しようと欧米の幹部クラスが「ミッドレベル」という山の中腹に大豪邸を構えることが多かったが、それも今は昔。「人」を送れない以上「お金」も送れない
日本も多くの工場や駐在員を送っている事から影響がないとは言えないが、幸か不幸かアメリカべったりだったのでドイツほど酷い目にはあっていない。むしろ香港や上海に構えたアジアの拠点を東京に引き寄せる事に成功しており、政府もそう言う方向で動いている。「人」も「お金」も入って来た結果が今の堅調な「日経平均」であり、まさに "漁夫の利”
こうなるとあとは「円安」を上手くコントロールするだけ。日本が「リセッション」入り? - 「相場」が売買するのは「将来」|損切丸 (note.com) だとすれば、円売り材料は既にかなり織り込まれている。今の "FACT" はむしろ強いインバウンド需要の方 ≓「円の割安感」が際立っている
一方「中国」は ”面子" の国。表立って「助けて!」とは言えない。 "浪花節" の日本人は面と向かって「助け」を求められたら ”情" で「お金」を出すかもしれないが、それが出来ないのが独裁国家のややこしい所
突っ張りに突っ張って「戦争」という選択肢もないことはないが、そこは利に聡い国。史実を見ても国外に侵略した例はほとんどなく、東欧で侵略=「戦争」に打って出ている "彼の国" とは価値感が違う。むしろ日本やアメリカと「裏取引」で落し所を探る可能性の方が高い
実際アメリカは「バブル崩壊」で瀕死の日本を生かさず殺さず上手く利用してきた。軍事力に違いがあるので全く同じとは言わないが「不良債権問題」の深刻さは日本を上回る。米国資本の助け無しで現状から回復するのは不可能だろう。 ”投資急減少” のニュースはそういう含みと考えると辻褄が合うが、ただ2年や3年でどうにかなるものでもあるまい
これに対する最大のリスクが「もし・トラ」(苦笑)。トランプ・パラノイア。- 「過剰流動性」の "エルドラド" 再び?|損切丸 (note.com) でまた中国を目の敵にしてくる可能性は十分あるが、そこは根っからの商売人。脅したりすかしたりでしっかり着地点を探ってくるはず
それよりも心配なのは「インフレ」の行方。「独裁者」というのはポピュリズムに陥りがちでどうしても目の前の利益を優先する。日本の「XXノミクス」然り「インフレには利下げ」のエルドアン大統領然り。その後に回ってくる "ツケ" など見向きもしない。結局馬鹿を見るのは我々小市民
そう言う意味では中国も独裁政権だけに何をやってくるか判らない不気味さはある。特に「お金」については理解していない御仁も多いのでいつも金融政策は鬼門。逃げ出す「お金」。向かう先は...2024年も心配は尽きない
「金」(Gold)やビットコイン(BTC)に一時避難している「お金」、あるいは「新NISA」など ”とりあえず米株” が逃げ出す時は市場は困難を極めるだろう。「歴史は繰り返す」なら 「本物の危機」の時、金利は上昇する。|損切丸 (note.com) 「金利急騰」が引金になって「お金」が雪崩を打つことになる。そう言う意味で米国債やJGBからは目が離せない。日銀もFRBもその事をもの凄く警戒している