物価上昇率は+2%へ収束? - 問題の核心は「お金」の偏在
欧米で物価指標が相次ぎ、いずれも足並みを揃えたように+3%を割り込んだ ↑ 結果 10年国債は「実質金利 "0"」を目指す?- 「理論」「合理性」に基づく政策運営を|損切丸 (note.com)
これで消えかけていた「6月利下げ」シナリオがFRB、ECB共に復活
散々銀行を苦しめてきた「逆イールド」解消の芽も出てきた
息を吹き返したのがナスダックなど欧米の株価だが、そもそも割高感もあり頭も重い。そして問題の核心はここから。ブラジル、中国、ロシアなどいわゆるBRICS≓「中国陣営」の「実質金利」は@+3~6%と高止まりしており「お金」が回っていない事が判る。これも「米中分断」の影響。悪い例えをすれば世界大戦前の「ブロック経済」と似てきている
特に独裁国家群では 逃げ出す「お金」。向かう先は...@2024|損切丸 (note.com) の傾向も強めており、当局の追跡を受けやすいドルやユーロ、円を避けた「お金」がビットコイン(BTC)など暗号資産に逃げている感も強い。*BTCが一躍脚光を浴びた「キプロス危機」の "逃避需要" と似た側面もあり、最早「値段」の問題ではない
この「お金」の構図を理解した上でFRBやECBが「利下げ」したらどうなるか。皮肉にも「アメリカ陣営」≓ G7の中で行き場のない「お金」が再び溢れ 燻る「インフレ」の ”種火” 。|損切丸 (note.com) に薪をくべることになりかねない
だからこそ日銀による "QT" (量的引締め)+「利上げ」が必要になる
これはG7の一種のポリシーミックスと考えられ、おそらくFRB、ECB、日銀のハイレベルではそういう議論が行われているはず。 "大きな絵" ではドル円やユーロドル、ポンドドルがFXでどう動こうと大して意味はない
問題は「お金」の足りないBRICS ≓「中国陣営」
MMT(現代貨幣論)信者風に言えば、独裁国家なのだから「自国通貨」はバンバン刷れる。事実「戦争」中のロシアはそれを余儀なくされており、その代償として「インフレ」「高金利」に悩まされている。中銀を中心に何とか踏み止まっているが、有利と伝えられる戦況とは裏腹に "台所事情" はかなり苦しそう。本当に欲しい「ドル」は枯渇し、代わりにFXでのドル転を制限されている「ルピー」や「人民元」が国庫に貯まる一方
OPECでは引き続き減産を続け原油価格の高値維持を図るだろうが、それは同時に収入を減らすことにもなる。実際 "台所事情" の苦しい産油国はOPECを脱退するなど足並みに乱れも見られる
そして何と言っても肝心の "宗主国" 「中国」の苦況が痛い
1京円近い負債を抱え不良債権問題は深刻化の一途。株の「売り禁止」など必死の対症療法だが、所詮付け焼刃。これ以上「借金」を増やすこともできず、特に地方財政は実質破綻状態。既に相当な血が流れているはずだが、 "面子の国" だけにG7やIMFに表立って「助けて」とは言えない。対外的には嘘でも "強面" を続けるしかない
厳しい事を言うようだが「戦争」もウクライナ共々ロシアを切り捨てたいのが「お金持ち」≓G7の本音。武器を売って散々儲けたのでこれ以上「お金」を使いたくない。同様に「中国」も切り離したいが、散々注ぎ込んだ「お金」を徐々に逃がし "返り血" を浴びないよう動いている。日本もその列に並んでおり、だからこそ逃げてきた「お金」がなだれ込んでいる
難しいのは追い込み過ぎると「武力」に訴える危険が高まること。「独裁者」というのは自分が死ぬなら世界など滅んでも良いと考える人種なので ”核の恫喝” もあながちブラフと決め付けられない。今はまさに ”Walking on the tight rope" (綱渡り)。その点は頭に入れておきたい
とはいえ、日本人としては引き続き「お金」の偏在に起因する「インフレ」対策は必須。日銀がもたつくなら「円安」ヘッジも必要になる。ただ「第三次世界大戦」のような事態になれば株等のリスク資産は考え直す必要が出てくるが...。今はソフトランディング(軟着陸)を祈るのみ
今朝方届いたこの発言でまたまた はっきりした「ドル建日経平均」戦略 - 注目すべきは「FX」フロー|損切丸 (note.com) が発動、今度はドル円買→日経平均買いの「キャリートレード」がぶり返している。今までも何度この光景を見たことか...。いい加減にして欲しい、というのが筆者の本音だが "狼少年" にならないよう気を付けて欲しいものである
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