「お金のマニュアル」教室 実務編 - シナリオの設定 続編
こんなものを設定した途端、またトランプ砲が出ましたね、対欧州の関税。相変わらず予測不能というか、マーケットの攪乱要因として暴れている。
そして円絡みの為替相場は予想通りというか、やはりきなくさい。米国債10年物の金利が2%を大きく割り込んだのをきっかけに東京市場早い時間に突然107円台に突入した。(@108円ストライクプライスのオプションに関わる仕掛け的な売り物がでたかな。依然筆者には外貨保険など日本の「にわか外貨投資家」が依然狙われているように映ります、残念ですが。)
さて円高につれて日経平均が下がったが、損切丸のメインシナリオは不変。ウルトラマン的トランプ方式によれば、最後の最後にはスペシウム光線が出てくるので、下がったタイミングを見極めて日本株はロングでいいと思う。実際トランプ大統領就任後、米株価はこのパターンで上下動を繰り返しながら下値を切り上げてきている。トランプ大統領は確かに突拍子のないことをする人だが、一方賢い商売人でもあるので経済自体がこけて元も子もなくなるようなことまではしない。それは先日のG20@大阪や板門店でも確認済み。結果、このトランプ方式を信じて2年間米株の押し目を拾ってきた投資家が大きな利益を得ている。
日本の場合はちょっと違って貿易問題でドル円が人質になる懸念があるので、前稿のメインシナリオにも書いたが同時にドル円をショートにして日本株を買う、いわゆる「ドル建て日経」でポジションを持った方が賢明かもしれない。ただ、ドル円を109円台~で売るのは難しいかもしれないので、目線は少し下げる必要がありそう。
それから半導体関連も日韓関係に関し「経済戦争の号砲がなった!」などやや大袈裟な報道もあり売りが嵩んでいるようだが、ここでメディアについて一言。真面目に取り組んでいる記者さんもいらっしゃるので正直あまり批判したくはないが、近年ネットニュースを中心に「ヒット率」ばかりを重視する傾向に拍車がかかっており、記者さん達にもかなりプレッシャーがかかっていると聞く。そのため真実をきちんと伝えるというジャーナリズムは蔑ろにされ、事の真偽とは関係なく、刺激的な言葉で感情的にあおったり、面白おかしく書いたニュースばかりが重用される傾向にある。悪く言えば、コンビニで裸になったり、飲食店で食べ物を捨てたりしたビデオを流して広告料だけを稼ごうとする、悪質な自称「ユーチューバー」と同じだ。
確かに「フェイクニュースだ!」と叫んでいるトランプ大統領にも大きな問題があるのは確かなのだが、トランプ憎しで動いている海外メディアも、不要に煽動的な部分があるのも否めない。今回の日本の韓国に対する措置も、やれ「トランプ化」だの「偽善」だの、一昔前ならフィナンシャルタイムスやウォールストリート・ジャーナルなどの一流紙が使うはずのなかった煽動的な表現が並んでいる。これなどヒット率重視の弊害だろう。とても残念。
なので我々ニュースを読む側もメディアリテラシーを上げて、真に役に立つ「本当の情報」は何なのか見極める必要がある。そうすれば「煽動的」マーケットの混乱には振り回されずにきちんとした投資が出来る。幸いマーケットや相場という物は「見えざる手」によって最終的には必ず適正値に戻ってくる。景気実態や業績などはごまかしが効かない。そこは信じていい。
色々な出来事が襲ってくるが、心の均衡を保ち、自分自身と向き合って頑張りましょう-そう、トレードは自分自身との対話でもある。苦境を経験すると、自分がどういう人間なのか、よくわかったりしますよ。