奴らに儲けさせるな!
(参照) 生活が苦しいのは莫大な「インフレ税」を徴収されているから ー 「借金王」は誰?|損切丸 (note.com)
生活が苦しいのは莫大な「インフレ税」を徴収されているからⅡ|損切丸 (note.com)
「相対取引」という言葉をご存知だろうか。FXでも株でも買ったり売ったりすれば必ず「相手」が逆の取引をしている。それは個人投資家だったり証券会社だったりするが必ず「勝ち負け」が起る。これを「ゼロサムゲーム」と呼ぶが、嫌らしい表現をすれば「誰かの損は自分の得」
筆者がそんなマーケットの世界で曲がりなりにも20年以上やってこれたのは「相手に一銭も儲けさせない」という気概を持って取り組んできたからかもしれない。「相手」は他の金融機関だったりヘッジファンドだったり、時には中央銀行や国だったり。「損して得する」のような言い方もあるが、これは ”和の国” 日本特有の考え方。マーケットにおいて「得」が還ってきたことは一度も無い。「お金」に厳しい欧米では当然でもある
やり方は人によって様々だがこれが「投資」の1つのコツ。カジノ的手法なら入口で「相手」にわざと小勝ちを重ねさせて「自分に才能がある」と勘違いした所で掛け金を吊り上げてバサッと刈り取る。ウォール街が「お金」の知識が不十分な日本人相手にやって来た手法だ。最近ならN中金・地銀の外債投資損失、古くは株価に連動した「EB債」やトルコリラ、南アフリカランド等の「高利回り仕組債」。やられた側は恥ずかしくて公言できずSNSにもあまり出回らないが、日本人は "カモ" にされてきた
イギリスの銀行でそういう商品を「売る」側に立ってきた筆者は日本人として「何でこんな債券買うかなぁ」と忸怩たる思いもあった。「損切丸」を書こうと思った理由の1つでもある
大事なのは「相手」が何を狙っているのかを考える事
"カボチャの馬車" にしろ "トルコリラ建債" にしろ「ゼロ金利」の環境下で@10%超の金利が付くなんて大抵「何かある」。それは「空室リスク」だったり「トルコリラ安リスク」だったりするわけだが「利回り」ばかり強調して「リスク」の説明は蔑ろ。本当に「お得」なら筆者も含め ”プロ” が瞬時に買い漁って市場には出てこない
そう、あなたに売った方が「得」だからだ
他の例なら保険の長期契約。8年前のリタイア以降、筆者はできるだけ長期前払で火災・地震保険を払ってきた。年金も2年前払い。理由は「インフレ」。保険料が値上がりする前に払ってしまった方が「得」だから。これに関しては最近保険会社が10年前払いを止めた。この勝負は「損切丸」の勝ち
同じ様な理屈は住宅ローンの「変動金利」「固定金利」にも当てはまる。「固定金利」か「変動金利」か。ー 「銀行」の立場から考えて見る。|損切丸 (note.com) 視点も必要だろう。*これから「利上げ」があろうかと言う時に長期固定の金利リスクを取ろうなんて銀行は無い。そう言う観点から銀行はいつでも金利を上げられる「変動金利」歓迎のはず
「ゼロサム」の最たるものがFX(外国為替)。かつて「輸出立国」の日本は散々「円高」で苦しめられてきた。結果工場の海外移転が進み「円高」リスクを回避したと思ったら今度は「円安」。年間▼5.5兆円もの「デジタル赤字」(2023)を払わされている
格闘技なら「相手」の弱点を徹底的に攻めるのが定石。「円高」が "アキレス鍵" ならそこを攻めるし「円安」に変われば攻める場所を変えるだけ。なのに「国債無制限指値オペ」とか「金融緩和」の連呼で「 "アキレス鍵" はここです」と叫び続ける愚行の連続。これでは「相手」の思う壺
更に狙ってきたのが「新NISA」。「オルカン」や「S&P」が人気だと煽り日本人が「円安」に加担させられている。これが「AI」にプログラムされればHFT(高頻度取引)を使って「先回り」。一気に相場を増幅出来る
だがここに来て相場が変調。「投資」が進んで今度は よほど「円高」になると困るらしい...|損切丸 (note.com) 状況に変わってきた。年初に@140円台で入った向きはまだいい。心配なのは@150円を超えてから入った "新参組" 。年初来「S&P」は+16%程度で+18%の「日経平均」を下回る。エントリーポイントによっては「損切り」になってしまい、「相手」はその「先回り」で今度は「売り」に回る
筆者が言いたいのは「投資」もマーケットも "闘い" だと言うこと。骨の随まで「ゼロサム」が染みついたウォール街に「顧客第一主義」なんてものは存在しない。いつも「どうやって儲けるか」≓「誰を損させるか」だけ。「インフレ」に関して「相手」は「国」だが怖れることは無い。「インフレ税」が狙いならあとはその "裏" を取るだけ
繰り返しになるがこれに尽きる