続・「お金」の値段 ≓「金利」が安過ぎる! ー マーケットは常に「中立」を求める
「お金」の値段 ≓「金利」が安過ぎる! ー 日銀の「ターミナルレート」は?|損切丸 の続編
FRBやECBの「利下げ」、もしくは日銀による「利上げ」の先送り等々で「金利」が下がる場面も何度か見られた。だが「損切丸」はこの2年、一貫して ”金利が低すぎる” と主張してきた。世界中で4京円も「大借金」して「お金」をばらまけば価値が低減する=「インフレ」は明らか。「お金」の値段 ≓「金利」。ここに来て米国債イールドカーブの「スティープニング」(長期>短期金利の傾斜化)という形で具現化してきた
金利トレーダーとしても 「金利」は「投資」の最大のライバルⅢ -「利下げ」が止まれば国債を買う動機は失せる|損切丸 なので、これからは「買い場」より「売り場」を探ることになる
「金利」で大事なのが「期間」の概念。「5年物ビットコイン」とか「10年物日経平均」なんて代物は無いわけで、「将来価値」を売買するマーケットで「金利」が大事な指標になるのはそのため。売買の権利を扱う「オプション」はその派生商品(デリバティブ)と言っていい
10~20代の若者にはピント来ないかもしれないが、「5年」とか「10年」はとても長い。「なさそうでありそうな」2022年10大ニュース予想。|損切丸 なんて note. で来年1年を予想するのも難しいのだから5~10年後なんてどうなるか誰にも判らない。その不確実性を加味すれば長期金利にはもっと「リスクプレミアム」がついて然るべき
だが やはり「過剰流動性」の総本山は日本 ー 「結果」を得るには一度「苦況」を乗り越えなければならない|損切丸 をはじめ、「コロナ危機」時の+100兆円単位の壮大な ”バラマキ” で「リスクプレミアム」が押しつぶされてきた。これがここまでの株価や暗号資産の時価総額の膨張に寄与してきたのは疑いの余地はない。ヒストリカルに▼3%程度だったS&Pの「イールドスプレッド」がプラス圏まで押し上げられているのが象徴的だ
もっとも「インフレ」なので株や不動産の「名目価値」が上がるのは必然とも言える。これは "値段が上がって儲かった" というより "お金の価値の目減りを防いだ" という方が正しい。あとは ”どれだけ膨れているか”
筆者がしつこく「金利が上がる」と主張してきたのは、これだけ溢れかえっている「お金」の「値段」=「金利」が安過ぎるから。その最たるものが未だゼロに近い「円金利」だろう。それでも1,000兆円もの「預金」をしている日本人は欧米基準から見るとエイリアン(異星人)としか映らない
だから「円キャリートレード」で相対価値を示すFXを使って「円安」にするのは極めて合理的なアクション。何しろ*ただ同然で借りた「円」を@4%以上の「ドル」で運用できるのだから、まさに「ドル箱」。何度「円高」に振れてもゴムのように戻ってきてしまうのは市場の摂理でもある
「中立金利」↓ という概念がよく用いられるのはそのため。潜在成長率(自然利子率)にR+(上乗せ金利) を加えたものが指標とされるが、FRBとECBがほぼ「中立」に到達したのに比べ、日銀はかなり立ち後れている
12月に植田総裁が急に「タカ」から「ハト」に変節したのは:
この2つではないか。特に②▼7兆円もの「財源」を失う事を恐れた財務省が日銀に待ったをかけた可能性は高い。何しろ「ゼロ金利」は10兆円近い「財源」、e.g., 国債1,200兆円×▼1%(利上げ)≓▼12兆円。”金勘定" しかできない昨今の財務官僚では「円安」による ”逆資産効果” や「増税」でGDPの6割を占める「個人消費」がダメージを受けることなど慮れない。まるで「縮小均衡」で潰れる会社のダメな経営者+財務社員のよう。リストラばかりで商品企画力が落ち買収の危機に瀕している某大手N自動車と同じだ
まあそれでもここまで追い詰められてやっと ”社員” が目を覚ましたのは朗報。選挙民が「投票行動」を起こしたのもN自動車が再編に動き出したのもこれまでにはなかった動きだ。**我慢強いのは日本人の美徳だがそれにも限界がある。もう怒っていい
「中立」を求めるマーケットでは「ドル円」と「JGB」(日本国債)が "触媒" の役目を果たすだろう。「日経平均」に関してはもう「円安」で自動的に買われる時代は終わった。その点では日銀や政治家が「利上げ」を躊躇う理由はほとんどない。あとは財務省の「財源」だけである