「時短社員は会社から評価されない」と告げられて見直した、育児中社員のキャリア戦略
先日、上司から人事評価のフィードバックがありました。
その際、上司から、時短をやめないかと提案を受けました。
しかし、その背景を聞いてみると、なんだか会社の子育て社員に対するスタンスが見えてきてなんだかモヤモヤ。
成績は良い方だが昇格はなし。
昇格可否に、時短を選択していることが影響しているとのこと。
このもやもやした気持ちを整理することで、これから何をすべきかや、私に欠けていた視点などが少し見えたので、今日はそのことを書きます。
会社との関係にもやもやする子育て中社員のどなたかのお役にたてれば幸いです。
1.時短社員は会社から評価されない
上司がなぜこのような提案をしてきたのか。
同じ職位の人を並べて、昇格させるかを判断する際、時短勤務だと不利になるというのです。
言われたのは次のようなことです。
と。
上司の提案は、上司が私を評価していて、さらに昇格をかけあってくれた結果だと思うので、大変ありがたく思いました。
しかし、なんだかもやもやします。
そして、その提案を、私は受け入れるべきなのかどうか。
2.そもそもなぜ私は時短を選択したのか
以前書いたnoteによると、
という理由から時短を選択していました。
時短をはじめた結果、①②はある程度は満たされています。
しかし、一方で、満足いく仕事ができない、というジレンマもありました。
そこから、私が責任を果たせる範囲や条件を以下のように見つけ、そのなかで仕事をしていきたいと思うようになりました。
今回この提案を受けて、同じ部の一般職の時短の人達にも話を聞いてみたのですが、それぞれ悩みを抱えているようでした。
ひとりは「在宅ワークを認めてくれたらフルタイムで働けるのに」(通勤時間が片道1時間)。
もう1人は「時短でも仕事内容と量は変わらないのに評価が低い」。
みんないろいろあるんだな。
私とはちょっと視点が違うのもおもしろい。
この彼女たちと私との視点の違いから、改めて私の時短に対する考え方にも気づきました。
私は、時短によって、拘束時間を短くして、自分の裁量や自由を増やしたい。
3.会社に対するもやもや
上司の提案の裏に、「会社には制約のある社員を活かす土壌も動機もない」というメッセージを感じました。
「制約のある社員」に居場所はない、と言われているようなものです。
これまで、共働き子育て社員は一般職(アシスタント職)しかおらず(男性社員はほとんどパートナーが専業主婦)、共働き子育て社員はマミートラックにのせられていた。
会社は共働き子育て社員はまだまだマイノリティなので、彼らのキャリアパスについて関心がないのです。
このままこの会社にいて、私、大丈夫か?
一方で、それは、会社と社員の対話がほとんどなされていないことの結果のようにも感じました。
しかし、それを改善する必要はあるけど、それはなかなか骨が折れる。
私にそんなことをしている余裕があるか?
4.上司の提案の理由と私に欠けている視点
また、正直、上司の提案を受けた時の私は、醒めていました。
上司は私のためにと色々考えて提案してくれたのだと思います。
が、それは私がこの会社で長く働く、という前提。
一方の私は、近い将来会社を辞めるつもりなので、かなり温度差がありました。
私を思っての提案はありがたいんだけど、私にそのつもりは・・・。
しかし、ふと思いました。
私、ライフワークバランスかバリキャリか、の二項対立で考え、前者を選択して社内評価は諦めていたけれど、ライフワークバランス優先は自分のポリシーとして保ちつつ、その条件下でもどうやったら評価をあげられるか、ということについてはまだ手つかずなのでは?
「ライフワークバランス重視」はあくまでも私の土台であって、その上に何をどう積み上げるのか、長期視点でもう少し気を配ってみてもいいのでは?
社内評価が上がることで、得られる経験や学び、スキルがあるのでは?
むしろ、社内評価を上げようとすること自体も学びやスキルにつながるのでは。
5.私はこれからどうしていくか
(1)理想の働き方
そこで、改めて、私はどう働きたいのか、理想の働き方を考えました。
そもそも、私は働くことがいやなのか?
いえ、決して働きたくないわけではないのです。
働くことを通じて、学びを得たい。スキルを伸ばしたい。
ただし、1日3時間50分に労働時間をおさえるのが理想。
仕事は、プロジェクトものがメインで、ルーティンワークや雑務はしない。
なぜプロジェクトものかというと、刺激的で得るものが多いから。
ルーティンワークや雑務はモチベーションがわかないし、ミスも多く、時間もかかる。
このことについては、こちらのnoteにも書いています。
そして、気づきました。
私は刺激的なものが好きだけれど、刺激的なものばかりだと疲れる。
だから、刺激的な仕事で疲れ過ぎないために、労働時間を短くおさえたいのか。
つまり、私の理想は、刺激的な仕事を短時間に限って行うこと。
ところで、世の中の働く人のお昼ごはんにフォーカスを当てたNHKのバラエティ番組「サラメシ」で以前、作家の角田光代さんの1日に密着した回があり(ネット情報によると、2012年7月12日の放送のようです)、そこで放送された角田光代さんの生活スタイルに衝撃を受けたことを、今でも覚えています。
私の中で、作家というと、日夜問わず、アイデアが舞い降りたときにぐわっと原稿を書くイメージ。
しかし、角田光代さんは、サラリーマンのように、毎日決まった時間に仕事場へ行き、決まった時間(確か17時だったと)に仕事を終える。
作家という職業でも、「定時上がり」で成り立つのか?!と衝撃でした。
はじめ、私は今までずっと、「作家なのに」「規則正しく生活をしている」ということが、私の心に響いたのだと思っていました。
しかし、今、あらためて考えてみると、「あれだけの仕事をしている人でも」「いわゆるライフの時間をしっかりとっている」から印象に残ったのだときづきました。
角田光代さんのくだり、長くなりましたが、何が言いたいかと言うと、「私が自分の価値観として認識していたもの」がアップデートされたのです。
②は自覚的でしたが、①はこれまでそんなに認識していませんでした。
(2)理想の働き方に向かっていくために
さて、自分の理想の働き方を少しつかめたところで、ワークライフバランスを重視しつつ、学びを得たり、スキルをのばしたりするためには、どういうプロセスを経ていけばいいのか。
まずは目標を考えてみます。
いつか、1日3時間50分だけ刺激的な仕事をする生活スタイルにする。
つぎに、それを叶えるための方法を考えました。
思いついたのは、
の3つ。
今時点ではこのうちのどれかに絞る必要はなく、これらに到達するまでにどういうことをすればいいのかを考え、時間をかけて必要なものを備えていけば良い、と考えています。
たとえば、①の選択肢について、「業務委託を会社に認めてもらうためには、どうすればよいか」
⇒会社に「この仕事はおかんさんにしかできない」と言わせる分野を狭くてもいいからつくる、圧倒的な実績を作る、など。
②の選択肢については、「どういう会社があるか」を調べて、そこに就職するために足らないスキルや経験を今の会社や副業で身に着ける、など。
③の選択肢については、安定的な収入がないことに不安を感じているので、不労所得をつくる、生活するために最低限必要なお金を知る、など。
また、会社以外で収入を得る方法を開拓していくことも大切。
⇒先日発売された、尾石晴さんのサバ本には、収入の種を見つけ、育てるための、具体的なフレームワークが示されています。
すごく具体的に考え方が示されているので、戦略的に副業を組み立てられない方にはとてもいい道しるべになると思います。
2022年7月まではKindle Unlimitedで無料で読めるそうです。
6.そして私は何をどう選択する
さて、上司の提案に対して、そのうち回答しなくてはなりません。
が、まだ答えは出ず。
今の会社の中で、どういう経験をしたいか、どういうことを成し遂げられるとよいか、を考えつつ、答えを出したいと思います。
ところで、こんなふうに、①~③の選択肢があるなか、どれを選ぶこともなく、すべてを具体的に検討していく、というのは今までだったらできなかったと思います。
さっさと方針を決めてやっちゃって、あとで後悔するのがいつものパターン。
中期的視点からゆったりと構えられるようになったのは、時短にして、精神を安定させる余裕をもったからじゃないかなと思います。
私の価値観。
まず「自分の心身の健康」という土台があって、そのうえに「家族の心身の健康」、そしてその上に「自分だからできる仕事」。
なんとなく、この順番通りに取り組むと、上手くいくんじゃないかなと思っています。
いまは「自分の心身の健康」は80点。
「家族の心身の健康」は少し遅れて70点。
「自分だからできる仕事」はまだまだ道のりは流しの60点。
そう考えると、なんか、順調に進んできている気がするぞ?!