「O'REILLY デザインの伝え方」を読んで、デザイン説明力をアップする vol.3
デザイン説明力アップのための読本の感想です。
・vol.1のノートはこちら
・vol.2のノートはこちら
「O'REILLY デザインの伝え方」
ー 第7章:組織内コミュニケーションの戦略と戦術
ー 第8章:応対例とメッセージの定型文
ー 第9章:合意に向けたコミュニケーションの「公式」
ー 第10章:会議直後のチャンス
第7章:組織内コミュニケーションの戦略と戦術
いよいよ会議でデザインを説明する機会がやってきます。そのまえにクライアントへの応対の準備として、3つの答えを用意しておきましょう。
1、このデザインはどのような問題を解決するのか?
2、このデザインがユーザーにもたらす影響は?
3、このデザインが代替案よりすぐれている理由は?
1についてはプロジェクトの本来の目的を実現できるものであること、そのゴールを全員が同意できていること、最終目標を中心に据えて議論できるよう立ち返ります。2ユーザーの影響については、ユーザーを代表する立場でデザインにあたり、意見を代弁するぐらいの気持ちで説明をする必要があり、3デザインの効果を明示する方法としては、プロトタイプを作ることなどが有効とあります。
第8章:応対例とメッセージの定型文
ここではデザインを説明する場面で、実践的に使える応対例があげられています。その中から、いくつか使えそうな定型文を抜粋しました。たまたま5W1Hに当てはまりそうなことが多い印象でした。
「定型文:ゴールの達成に役立つ」
目的の実現のために、意図のあるデザインであるということ。
その案に他のもっといい案が出たとしても、そのでザインに意図があることを伝えることが大事です。
「定型文:ブランドイメージの確立に役たちます」
細かな部分でのブランドアイデンティティでのデザイン統一は喜ばれる場合が多い。クライアントが喜ぶデザインはプロジェクトの進行もスムーズになることが多いです。
「定型文:ユーザーの注意を引きます」
どのようにして注意を引くのかを具体的に。視線の動きや色の説明など認知学や心理学などのプラクティス的な説明も有効です。
「定型文:ユーザーフローを考慮してこうデザインしました」
7章であったユーザーの立場を代弁するような気持ちでデザインすることにつながる内容です。フローにも配慮があるデザインであるならば、説明をすることは可能です。フローに対する修正が入ったとしても、ユーザーの状態の前後にも配慮し、応対することができます。
第9章:合意に向けたコミュニケーションの「公式」
合意を取るための流れるようなコミュニケーション公式(本の中ではIDEAL公式)。おおよそのポイントの訳を付け加えました。
STEP1、問題を特定する 「〇〇という点が問題ですよね」
STEP2、解決策を説明する 「〇〇を解決のための案を用意しました」
STEP3、ユーザーの気持ちになる 「〇〇だとユーザーは△△になります」
STEP4、組織にアピールする「〇〇は組織全体にも宣伝効果があります」
STEP5、合意を確実にとりつける「〇〇に同意していただけますか?」
公式というだけあって話し方のコツといった感じでしょうか。この通りに話すということが重要なのではなく(意識しすぎると不自然でしょうし)、ここを準備していれば万全であるという公式の紹介でした。
第10章:会議直後のチャンス
ここではデザインを説明する会議が終わった直後の「鉄は熱いうちに打て」で、迅速なフォローアップの重要さを説明しています。直後の雑談から引き出せる本音や、間をおかずフォローすることで、印象が薄れることを防ぎ、決定事項をより強固なものにできるとあります。この辺りは主にディレクターさんが使える戦略かもしれないですね。