「O'REILLY デザインの伝え方」を読んで、デザイン説明力をアップする vol.1
デザイナーなら、みんな一度は、作成したデザインが望む方向性へと転ばなかったという経験があるのではないでしょうか?他の人の意見でデザインが覆ることが少なからずありますよね。
自分の作ったデザインをうまく説明できれば、そういった現象を回避できるのかも…と思って読み進めているのがこの本です。
「O'REILLY デザインの伝え方」
この本の前書きに「デザインを理解してもらうためのコミュニケーションのほうがデザインそのものよりも重要」な局面が多くあると書かれています。
なるほど。確かにそうかもしれない。
デザインを作ること以上に、そのデザインの意味を確実に伝えることはかなり難しいことなんじゃないか。
ー 第1章:デザインの役割の変化
ー 第2章:偉大なデザイナーは偉大なコミュニケーター
第1章:デザインの役割の変化
デザイナーの役割が大きく変化している。スマホの普及によりインタフェースの重要性が注目され、UXという言葉も最近では頻繁に使用され、デザイナーへの期待度が上がっている。
デザイナーが力を発揮するUIは、UXの向上に大きく貢献するし、デザイナーが脚光を浴びることはいいのだが「デザイナー以外の人にデザインについて説明する」ことが、かなり重要になってきている。
第2章:偉大なデザイナーは偉大なコミュニケーター
専門家でもない人が専門家の仕事に意見する権限を持つーーー
これはデザイン以外の分野ではほぼあり得ない現象なのだそう。合意を得なくてはいけない相手が多く、進行を間違えれば、「船頭多くして、船山登る」の状態に。これが結果的として、デザインが望む方向性に進まない原因なのでしょう。これはデザイナーのあるあるだと思います。
それらを避けるために、必要なのがコミュニケーションのスキル。作成したデザインがどのような問題可決をするのか、説得力を持って話せることが重要なのですね。
そのためにデザインで大事にすべき点が3つ挙げられています。
1、問題を解決すること
2、ユーザーにとって使い勝手がいいこと
3、全員の支持を得ていること(これが目的)
1、2は最良のインターフェースを実現するために、デザインに加える変更、要素を一つ残らず意識化すること。その具体的な方法として、問題に対して、解決策を文章で書き留めること方法として挙げられています。
例:【問題】ユーザーが次のステップに進まない
【解決】ボタンを赤にし、文言を変更
また、それらのデザインがきちんと実現できているかどうかは3つの項目を自分に問いかけることで確認できるとそうです。
1、このデザインがどのような問題を解決するのか
2、このデザインがユーザーにもたらす影響は
3、このデザインが代替案よりすぐれている理由は
この質問に答えられる準備をすることで、自分の下した決断を把握することになるそうです。
これらはすぐにでも導入できそうだし、頭の中でも実践できそう。デザイナーにとっては無意識に作成した箇所であっても、意識的に「なぜそうしたのか?」に立ち戻って、作成したデザインを見つめ直す時間、一つの小さなエレメントでも「なぜ?」を繰り返すことで、そこに決断と意思が現れる。そういうことなのだと思います。