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私がnoteを使うことにした理由


まずは自己紹介から

私は大学の先生をしています。専門を極めて限定して言うと、脳科学と医工学。でも、実際は、人間に関わることをめちゃくちゃ幅広く研究しています。そして、思考するための教育や、いろいろな組織運営にも関わっています。詳しい話が知りたい方は、まず研究室のウェブサイトをご覧いただければと思います。

写真家としてウェブ界隈を徘徊していた

私はいろいろな顔と来歴をもっています。本業は今書いたように大学教員ですが、大学院生の頃(1999年~)から写真家として創作活動をしていて、自分が運営するオウンドメディア(写真とソビエトカメラやトイカメラのウェブサイト)で頻繁に作品を発表していました。発表した写真は5万点を超えていたと思います。

当時流行り始めていたYouTubeには目もくれず(写真家として静止画にしか興味がなかった)、簡単にオシャレなテンプレでサイトが作れるWordPressにも目をくれず、オーソドックスなウェブサイトをひたすら手書きで作っていました。自分でページをデザインし、HTMLとCSS(とPHPとJavaScript)のコードをW3Cの仕様を厳守して書き、自宅に立てたサーバからサイトを公開していました。

本業が忙しくなりすぎたこともありましたが、もっと気楽に自由に写真を撮りたいとか、SNSも活用して活動していくことがしんどくなったりとか色々思うところがあり、ある時を境に写真サイトを閉鎖してSNSのアカウントを全消去(友達限定で続けているFacebookを除く)してしまいました。

だからロゴデザインもやるし、ウェブデザインもやるし、ウェブサイトだって丸ごと立ち上げることができます。それがバレて、タダで組織のロゴを作らされたり、タダで所属部局長のポートレートを撮らされたり、タダで学会の公式サイトを作らされたりしています。まぁそのおかげで、後述するように「お金がないのに新しい組織を立ち上げないといけない」局面でも、なんとかできてしまうのですが・・・。

ソロキャンパーで焚き火の脳科学者として

最近の私は、2つの顔でそれぞれ露出が増えています。1つ目がソロキャンパーとして焚き火の研究までしている焚き火の脳科学者としての顔です。2024年に著書『焚き火の脳科学』を出版してからは、ありがたいことに多くの新聞や雑誌で取り上げていただき、ラジオには3番組(うち2番組は生放送)に出演させていただきました。

この本が縁となって、イベント出演の依頼も継続的にいただきますし、共同研究も始まっています。各地の公園に薪を備蓄しファイヤーピットを設置して、気軽に焚き火に当たって語れる環境づくりと防災拠点化の構想もあります。焚き火研究をするために整備した「安全に焚き火をするためのガイドライン」をもっとキャンプ場や自治体に活用してもらうための取り組みや、そのための教育プログラムなんかも始めたいと思っています。焚き火を介したサイエンスカフェならぬサイエンスキャンプはじわじわ拡がってきています。

フューチャー・デザイナーとして

そして最近注目を集めているもう一つの顔は、フューチャー・デザインという思考法を教育に導入したり、教育に導入することをサポートしたりするフューチャー・デザイナーとしての顔です。

私がフューチャー・デザインと出会ったのは2023年8月、四国地区大学教職員能力開発ネットワーク(SPOD)主催のSPODフォーラムでした。フューチャー・デザインの発案者でフューチャー・デザイン・コミュニティの中心人物の一人である西條辰義先生(京都先端科学大学・特任教授)から、フューチャー・デザインのことを直接聞いたことがきっかけでした。

その後、西條先生や中川善典先生(上智大学・教授)からフューチャー・デザインの基本手法を教わり、「これからの学び」について学生さんに考えてもらう授業に取り入れてみると、学生さんたちのマインドセットが大きく変わって衝撃を受けました。フューチャー・デザインを取り入れる前は、「大学・企業」「バス・高い」「成績・評価・基準」など自己の利益につながる身近な提言をしていたのに対し、フューチャー・デザインを取り入れた後は、「AI・技術・考える」「教育・問題」「倫理・道徳」など日本全体の技術や教育に関する提言に変わったのです。その模様は、以下の授業動画からも見ることができます。

私がこのnoteで書いていきたいこと

いよいよ本題に入ります。論文やレポートや仕事の文書なら最初にバーンと結論を書かないといけないので、本題を引っ張るこの書き方はあまり良くはないのですが、個人的なエッセイとしてお許しください。

ここまでデジタルデトックスをやってSNSを全削除し、ウェブでのオープンな活動は自分の研究室のウェブサイトのみにしていた私が、いまnoteを始めた理由は、フューチャー・デザイン教材の解説記事を、関係者の先生方にも手軽に書いてもらうためのメディアとして最適だと思ったからです(一文が長いなぁ・・・)。

個人的な情報発信は研究室のウェブサイトだけで充分でしたし、書籍でも書きたいことをまとめて書きました。大学や部局のウェブサイトで広報記事を出したり、講演会や市民公開講座などで一般の方に伝える活動もしてきました。

しかし、このたび、フューチャー・デザインの関係者、特に教育への導入を拡げていきたいと考えている人たちから後押しされる形で、フューチャー・デザイン・コンソーシアムを立ち上げることになりました。このコンソーシアムでは、正会員のみなさんに教材を共有してもらい、自らその解説を書いてもらうことをお願いしています。みなさんにできるだけ負担をかけず、HTMLの知識がなくても文章を公開でき、読みやすいメディアとしてnoteが良いと思いました。

ということで、今後は基本的に授業の技術的な手法などに関する短い文章を随時アップしていきたいと思います。トピック毎に2000字くらい書いていけば、後に書籍化できるかもしれません(そうなると嬉しいです)。読者は、フューチャー・デザインに興味がある教育者を想定していますが、グループワークの授業やワークショップのコツを知りたい人とか、次かその次の学習指導要領にフューチャー・デザインが導入されることを見越して先取りしておきたい人とか、単に興味があるだけの人とか、予想外の拡がりが出てくると私のモチベーションもあがります。どうぞよろしくお願いいたします。

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