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自分にとって『自由』とはなんだろう

わたしが質素でいるのは、自由でいたいからなんだ。
お金のかかる生活を維持するために働くより、
自由を楽しむ時間がほしいんだ。

世界でいちばん貧しい大統領からきみへ
編 くさばよしみ
出版社 汐文社
発売日 2015年10月

 先日、図書館へ借りた児童書を返却しに行ったときに、文庫本以外の棚を眺めてみました。
 図鑑や絵本など、大きくカラフルな本が多かったように感じましたが、外国のおはなしの翻訳版の棚があったり、「占い」や「人付き合い」のコーナーがあったりと、私が小さいころにはなかった(気づいてなかっただけかもしれませんが)ジャンルもあり、大人の本と同様に、時代の影響を受けるのだなぁという、考えてみれば当たり前のことを思いました。

 児童書コーナーを本棚を眺めながらウロウロしていたところ、偉人・伝記の棚で、『世界でいちばん貧しい大統領からきみへ』という本が目に留まりました。
 文庫本でも漫画でもなく、絵本のような本。そんなに文章量もなく、タイトルになんとなく興味が湧いたので借りてみることにしました。
 この本は、2013年と2014年にノーベル平和賞にノミネートされた、第40代ウルグアイ大統領のホセ・ムヒカ氏のスピーチや取材、インタビューをもとに構成された内容となっています。
 対象は小学校高学年かとなっているため、漢字にるびが振ってあり、文章としても読みやすい本です。
 
 冒頭の文は、本書の前半に書かれていたものです。
 「稼げること」「利益になること」が重宝されるいまの世の中において、なぜ、「お金はそんなに必要ない」と考えるのかを、皮肉でも負け惜しみでもなく、簡潔に語っているように感じました。

 そして、自由については以下のように語っています。
 『自由とは好き勝手ってことじゃない。
  責任や制限がある。』
 『自由とは、自分のための時間なんだ。』

 ホセ・ムヒカ氏がなぜこのように考えるようになったのか。
 綺麗ごとではなく、過酷な体験ののちに得た、氏の哲学なのだと思います。
 
 自由について、わかりやすく納得のいく文章ではありますが、当然、万人にとっての「正解」ではないでしょう。
 自分にとって「自由」とはなんだろうと、各々が考えて、自分なりの表現を見つけるしかないのだと思います。
 私の現時点での「自由」とは、「自分で選べること」です。
 能力的にも、環境的にも、「選べる」状態でありたいな、と。
 思いがけず、「自由」とは、ということについて考えるきっかけを与えてくれた本でした。

 自分にとって『自由』とはなんだろう
 色々なことにとらわれて自由になれない方
 自分には自由がないと感じている方
 そんな方に寄り添える人でありたいです


世界でいちばん貧しい大統領からきみへ
https://www.choubunsha.com/sp/book/9784811322483.php

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