『自分が本当は望んでいることはなんだろう』

『知らないうちに自らの欲望の終着点を決められてしまう』
桐野夏生

出典)PHP No.896 p.46 株式会社PHP研究所

 12月。一年の締めくくりということもあってか、他の月より気忙しく感じる月。12月の次が1月ではなく13月だったら、こんな気持にはならないんだろうなぁと、以前から思っています。

 ありがたいことに、ご多分に漏れず、忙しい日々を過ごしていて、インプットが足りない次期でもあります。
 そんな中でも、毎月読んでいるPHPは、一つ一つの項が短いので、移動中などに少しづつ読むことができるので、ありがたい存在です。

 冒頭のセリフは、作家の桐野夏生さんが、AIやアルゴリズムに対して抱いている憂いを語ったものです。
 ネットで検索をすると、『あなたはこういうものが好きでしょ』(p.45)と、誘導されてしまう。
 『今は自分で主体的・能動的に出会う前に、AIが提供してくれるかもしれない』(p.46)と、おっしゃっています。

 本編は主に読書文学について語られていましたが、私はこれを読んでいて、それ以外のこと、とくに趣味やキャリア観、ありたい姿などについても言えるのではないかと感じました。

 家庭や、学校や、友人や、メディアや、社会から、『あなたはこういうものが好きでしょ』もっと言うと、『あなたはこういうふうに生きると幸せでしょ』と、自分の気持は無視され、『あなたのため』と言って、誘導される。
 そして、『いい子』ほど、自分を殺して、この誘導に従ってしまうのではないでしょうか。それが望まれていることだから。

 コーチングやキャリアカウンセリングをしていると、『本当はこれがやりたかったんだ!』『こんなことをやろうと思ってもいいんだ!』とい言葉を聞く場面があります。
 色々な縛りから開放されたとしたら、暗黙のルールや古い慣習を無視していいとしたら、自分が本当にやりたいことや、ありたい姿はなんでしょうか。

 『自分が本当は望んでいることはなんだろう』
 自分が本当に望んでいることがわからなくなってしまった方。
 誰にも聞いてもらえない自分の本当の望みを聞いてほしい方。
 いつでもご相談ください。

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