
考えられる最悪の事態はなんだろう
1万年前から進化していない
人間の心
進歩した文明と進化しない心 p.92
著者 石川 幹人(監修)
今日から12月。今年も残すところ1ヶ月となりました。
自分の決めたペースで書くとすると、このnotoも今年は残すところあと3回となります。
年末の忙しさを言い訳にせず、自分との約束を守りたいと思っています。
おかげさまで、今年もたくさんのコーチングセッションやキャリアカウンセリングの時間に恵まれました。
また、それらの勉強会や講習会にも参加することができました。
そんな中で、ひょんなことから新しい学びのきっかけに出会うことができました。
私は「人間は、ウホウホ言っていた時期の方が、いまの文明の中で暮らしている時期より圧倒的に長いので、脳や感情の仕組みはウホウホ時代のものがかなり多く残っているのではないか」という仮説を以前から漠然と持っていて、それを研究している学問はないかな、と思っていました。
浅学なのでそれを見つけることができなかったのですが、図書館で偶然『進化心理学』という学問があることを知りました。
その本によると、人間には『3つの心が同居している』とのことです。
森で進化した「サルの心」
草原で進化した「ヒトの心」
理性を中心とした「文明の心」
その中でも、狩猟採集生活をおくっていた「ヒトの心」の時代が圧倒的に長く、農耕牧畜生活をおくっていた(いる)「文明の心」はたかだか1万年間、生活が近代化されてからはわずか250年間程度だと説明されています。
それぞれの心にどのような特徴があるのかは、本書を読んでいただければと思いますが、コーチングやキャリアカウンセリングに関する部分で私が興味深いと思った点は、「行動と失敗」に関してです。
意訳ではありますが、狩猟採集生活での「失敗」は、死を意味します。また、「仲間はずれ」も同じく死を意味します。
そのため、いま生きている環境で食料があり、安全が確保されているのであれば、「失敗」の可能性がある新しい行動をする必要はなかったのだと思います。
人間が「失敗」をしたり、「仲間はずれ」にされることを恐れるのは、本能に刻み込まれた「仕方のないこと」なんだと思います。
だから
「一歩踏み出したいけれど踏み出せない」
「挑戦をしたいけれど怖い」
「みんなと違うことをやって仲間はずれにされたらどうしよう」
ということに悩まされることが多いのだと思います。
しかし現代は幸いなことに、「失敗」をしたり、「仲間はずれ」になったりしても、いきなり死んでしまうことはそうそうないと思います。
「本能」は危険だという判断をしている。でもそれは、狩猟採集生活時代の評価基準です。
そう考えたときに、いま「行動」をして「失敗」や「仲間はずれ」になった場合に考えられる「最悪の事態」はなんでしょう。
おそらく、本能が思っているような事態にはならないのではないでしょうか。
考えられる最悪の事態はなんだろう
「一歩踏み出したいけれど踏み出せない」
「挑戦をしたいけれど怖い」
「みんなと違うことをやって仲間はずれにされたらどうしよう」
そのようなことで独り悩み、自分のやりたいことに正直になれない方。
そんな方に寄り添える人でありたいです。
著者 石川 幹人(監修)
出版社 株式会社 カンゼン
出版年月日 2023/11/17
https://www.kanzen.jp/book/b10040342.html