『自分が受け止めてほしい気持ちはなんだろう』

『わからなくても
 知らなくても
 まず受けとめてくれる
 私ずっと
 そうしてほしかったんだ』
南雲世奈

(出典)作りたい女と食べたい女 3巻P91
著者 ゆざき さかおみ
発行 株式会社KADOKAWA2022年11月初版


 つい先日、NHK総合夜ドラでも放送が始まった、『作りたい女と食べたい女』
 冒頭のセリフは、その原作漫画の3巻で登場する南雲世奈が、主人公の二人に泣きながら心の中で発したものです。
 そして、『わからなくていいから否定しないで「大丈夫だよ」って言ってほしかった』と続きます。

 漫画の内容ですが、第1巻の最初の方では、『料理を作るのが好きな女の人』と『料理を食べるのが好きな女の人』が主人公の、料理を通した日常系だと思っていましたが、話が進むにつれて、世間のステレオタイプや価値観が主題なように感じています。
 世奈も、とあることを家族に理解してもらえず、『食べること』に関してのある価値観を押し付けられて生きてきました。
 そこでとあるきっかけで主人公の二人と出会い、冒頭のセリフのシーンになります。

 私はこの場面を読んでいて、多くの人が、多かれ少なかれこのようなことを思っているのではないか、そして、それに自分自身でも気づいていないのではないか、と思いました。

 自分がクライアントとして、コーチングを受けることがありますが、話をしているうちに、「自分はこんなことが話したくて、これをただ聞いてほしかったんだ」と気付くことがあります。
 その内容に100%同意をしてくれたり、理解をしてくれなくてもいいのです。
 否定しないで、余計なアドバイスをしないで、ただ聞いてくれるだけでいい。
 それだけで、気持ちが軽くなったり、モヤモヤが晴れていくこともあるのです。
 そんな体験を何度もしました。

 私も自分のクライアントさんに対して、「この時間、あなたを絶対に独りにしません」と言って、セッションを始めるようにしています。(状況などによりますが)
 そして、口で言うだけではなく、本当にそう思ってセッションに臨んでいます。

 『わからなくても、しらなくても、まずは否定をしないで受け止めてもらえる』
 大人になると(もしかしたら大人になる前から)そのような経験をすることは意外と少ないのではないか。冒頭のセリフから、そんなことを考えました。

 『自分が受け止めてほしい気持ちはなんだろう』
 受け止めてほしい気持ちがあるのに、それを誰にも話せないで悩んでいる方。
 自分で自分の気持に気づかないふりをし続けて、辛くなってしまっている方。
 いつでも相談ください。

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