ニューノーマルからサイバーパンクへ/コロナ後の世界を再構築
おはようございます。世界再構築研究家のアルキメデス岡本です。
さて、先日から東京都民が除外されたGOTOキャンペーンが始まりましたが、世の中は止まる事なく進んでいっています。
ソーシャルディスタンス、リモートワーク、ニューノーマルへと世界は少しづつ変化していっているようです。
そんな中先日、川崎ルフロンに水族館がオープンしました。
アマゾンとアクアをコンセプトにした水族館でオープン開始後からファミリー層に人気が出ているようです。
緑、水、動物をビルの最上階に詰め込んだ新しいコンセプトのテーマパークです。元々このビルは半分が丸井だったのですが、経営不振で数年前に丸井が撤退しリニューアルを行っていました。コロナ前に企画された施設ですが、タイミングよくオープンを迎えたようです。
という訳で今回は、「コロナ後の世界を再構築」をテーマに語りたいと思います。
■コロナ後の世界を再構築
そもそも、コロナによって失われたモノってなんでしょうか?この問いを考えた場合、だいたい以下の3っつが考えられます。
・リアルな体験
・集まって盛り上がる
・自由な移動
自粛解除された後もこの3つが今も制限され続けています。しかし、それを制限されても人間の根源的な欲求には上記の3つが備わっているので、それを代替えしてその欲求を満たそうとしています。コロナによって何かが制限されても人間はその欲求を満たす為に、新たなツールや別な遊びを創造していきます。
ネットゲーム、オンラインチャットなど、リアルで失われた体験を仮想空間内で疑似体験するようになりました。その度合いは今後益々高まり、それが新たな日常、ニューノーマルとなっていくでしょう。
例えばラッパーのTravis Scottさんがゲーム「フォートナイト」内でコンサート開催しました。
ゲームの空間内で行われたTravis Scottのライブ動員数はなんと1270万人でした。
この試みでは、視聴者がゲーム内で自分のキャラクターを移動させることができました。それによって、ライブ会場に行って身体で音楽を聴いている感覚に近いものが得られるわけです。
カプコンが開発した囚われのパルマは女子からの人気が高いゲームですが、夜の街やリアルな接客が制限される中で人気が続いています。ゲームだけではなく女子専用のカプセルホテルも営業しており、バーチャルでの疑似恋愛の欲求を満たす事に一役買っています。
リアル体験のニーズも今まで以上に高まって来ており、先日発表されたエヴァンゲリオン京都基地のビジュアルコンセプトはインパクトがありました。
リアルサービスとバーチャル空間の二極化が今後進むと思われますが、コロナ後の世界では移動の制約いかに越えていくかが最大のポイントになるでしょう。移動の制限があることによって大打撃を受けるのは、観光をメインにした旅館業や旅行業、それに付随したエンターテイメント産業(テーマパーク、アミューズメント)などです。
そう考えた場合、この移動の制限の影響を受けずにいかにサービスの設計を再構築するか、これが最大の課題になるでしょう。
■ニューノーマルからサイバーパンクへ
コロナによって社会環境の変化が発生すると、それに合わせテクノロジーの進化が起こります。そこから生活意識と価値観の変化が起こり、欲求やニーズの変化に繋がり最終的にはライフスタイルの変化となっていきます。これがライフスタイルの変化の過程です。
このように今までの世界、オールドノーマルからニューノーマルな世界へと価値観の変化が起こり、ライフスタイルの変化が起こる現実の中で新たなアート、サイバーパンクが生まれる環境が整いつつあります。
■サイバーパンクとは
「サイバーパンク」という単語は1980年代にブルース・ベスキ作の未成年の技術者集団を描いた短編のタイトルとして出現したが、その後の1985年にSF誌の編集者であり評論家であったガードナー・ドゾワによって、作風を指す新語として用いられ、SF界における思想、運動、スタイルをさす言葉となった。自然科学の理論に基づく従来からのサイエンス・フィクション、これを厳密化したハードSF、非現実な要素を加えたスペースオペラ、サイエンス・ファンタジーなどに対するカウンターとしての思想、運動であり、それらを体現する小説に盛り込まれた要素・スタイルを抽出し、これをサイバーパンクと呼ぶ。
典型的なサイバーパンク作品では、非現実性へのカウンターとしてよりリアルな現実性が意識され、最も現実性を体現するモチーフとして人間や心理の描写に力点が置かれた作品が多い。作中では人間が持つ生体機能としての人体と、脳機能に基づく認知、思考、心理などを機械的ないし生物工学的に拡張し、それらのギミック、ないしはコンピュータやネットワークによる模倣が普遍化した世界・社会の描写を主題のひとつの軸としている。さらに心理描写についても現実性をもたせるため、社会心理学や異常心理学で現れる「対立」や「葛藤」の発展形と看做される構造・機構・体制に対する反発(いわゆるパンク)や反社会性を、主人公の言動や作品自体の主題のもう一つの軸として好んで多用されている。
これらを内包する社会や経済・政治などを俯瞰するメタ的な視野の背景の提供と描写が加えられることで、作品をサイバーかつパンクたらしめ、既存のSF作品とは一線を画すことが認識されて成立し確立されている。
サイバーパンク作品では、人体へのコンピュータや機械・臓器などの埋め込み(サイバーウェア、インプラントなどと言う)によって機能や意識を拡張する人体改造的な概念や、サイバースペース等と呼ばれるネットワーク空間(仮想空間、仮想社会)などを小道具として登場させる作品も多く、また代表作の幾つかでは退廃的で暴力的な近未来社会を舞台として疲弊しきったテクノロジーを描いていたため、単にそのスタイルのみを真似てこれに倣うフォロワー的な作品がサイバーパンクを名乗ることがあるが、これらのガジェットは要素の一部に過ぎず、パンク思想やメタ視点等の最も中核的な部分を扱うことのない作品は、あくまでフォロワーに過ぎない。
小説『ブラッド・ミュージック』や『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』等の作品もサイバーパンク(ないしはその前駆的作品)として列せられる。これらは根源的な意味でサイバーパンクであるとされており、疲弊した技術やコンピュータとの融合などの「サイバーパンク的ガジェット」は登場しないが、前述の要素を持つためサイバーパンク(または前駆的サイバーパンク)と解釈される場合がある。
サイバーパンクの語源となるサイバネティクス(cybernetics)とは、本来はフィードバックの概念を核にして生理学と機械工学、システム工学、情報工学を統一的に扱う学問領域であるが、これが転じて脳神経機能の電子的・機械的補完拡張やコンピューターへの接続技術を指すようになった。さらに、人体の機能の一部を機械的・電子的に拡張ないし置き換えたサイボーグ(cyborg: cybernetic organからの造語)という概念がSFで盛んに用いられるようになっていた。サイバーパンクではこれらの人体と機械が融合し、脳内とコンピューターの情報処理の融合が「過剰に推し進められた社会」を描写する。さらに、社会機構や経済構造等のより上位の状況を考察し、それらを俯瞰するメタ的な視点・視野を提供するという点で従来のSFと一線を画する。
サイバーパンクが成立した1980年代前半は、北米や欧州を中心にパーソナルコンピュータが一般家庭にも普及を開始し、原始的なネットワーク(パソコン通信)を伴って身近なものとなり、また各種の電子機器が民生機器として隆盛していた時代でもあり、一方で軍学共同の広域ネットワーク(インターネットの直接のルーツとなるARPAネットなど)の研究と普及も始まっていた。これら実在のガジェットや概念に触れる機会が増大したことで、それらが「過剰に発展した(近)未来への着想」をもたらしたという点でも、同時代の社会および科学・民生技術の状況がサイバーパンク成立の母体となったことは確かである。
現代においては、コロナ後の世界を再構築するスピードが加速した事で、現実社会および科学・民生技術の状況がサイバーパンクアート成立の引き金になっていると考えられる。
エンターテインメントの分野においては今後益々、リアルとバーチャルの境界は曖昧になり脳内と電脳空間とを融合した娯楽体験やサイバーパンクアートが加速していくでしょう。いかにリアルとバーチャルの空間をスムーズに連携させ移動の制限を超えていくかが、クリエイターにとって勝負の鍵になっていくと思われます。