言葉を「書く」ということ。
2023年春、家族でインドネシアで暮らし始めました。
インドネシアに来て、すっかりテレビを見る機会は減ってしまったのですが、本来ドラマ好きな私。
NHKはインドネシアでもリアルタイムで放映されていることもあり、大河ドラマ『光の君へ』の時間だけは、毎週全ての家事の手を止めてテレビの前に鎮座しています。
今回は『光の君へ』を通じて、言葉を書くことの意味をあらためて考えさせられているお話。
主人公は平安時代の女性作家
『光の君へ』の主人公は紫式部。
平安時代の小説『源氏物語』の作者です。
第17話まで放映された時点で、まだ『源氏物語』は書き始めていません。それでも、現代にまで残る長編小説を書き始めるまでの主人公の人生の出来事として、「書く」ことの意味を考えたり気付いていく過程が随所に描かれているのです。
見始めた当初は意図していませんでしたが、このドラマは「書く」ことの喜びや葛藤を見せてくれるんじゃないかと、ただのドラマ好きとしてだけでなく、ライターとして楽しみにしている私に気がつきました。
『蜻蛉日記』の作者が漏らした本音
第15話の放送で、『蜻蛉日記』の作者・藤原道綱の母が主人公と出会う場面がありました。
私はこの本は全く読んだことがないのですが、側室であった道綱母が、たくさんの妻を持つ主人とのやりとりを、自身の心の動き(嫉妬や悲しみ、喜びも)を含めて書いたものらしいのです。
そんな道綱母が言ったセリフがこちら
書くことで悲しみから救われる。書くことで痛みを癒す。ふむ。なるほど。
文に込めた想いが伝わった喜び
第17話で、主人公がとある誤解が原因で、仲違いしていた友達と仲直りする場面がありました。
主人公は仲違いしていた時に、友人の誤解を解こうと何度も文を出しますが、受け取ってもらえなかったのです。
しかし、仲直りする時に、その文を友人が全て書き写していたことを知ります。友人が少しでも主人公に近づきたいと書き写し、手元に残していたのだと。
その書き写した文を見て主人公が言ったセリフがこちら
そこからまた何を書くでもなく筆を取ります。
書いたものが伝わった喜び。書くこと、残すことの本質だよなぁ。と私も嬉しくなったのでした。
言葉を「書く」ということ
私は、日々言葉を使ってコミュニケーションをしているのだけど、ふと「言葉」ってなんだろう?と思って、調べてみたことがあります。
表現する方法としての、書く、話す。
話すことではなく書くことで伝わる範囲、時
行間。
これからもライターとして書きながら、ずっと考えていきたい問いです。そして、2024年の大河ドラマ『光の君へ』は、その問いへのヒントが散りばめられていそうな予感。
これからもインドネシアで見る唯一のドラマ、リアルタイムで楽しみたいと思います!