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【🇯🇵 熊本#1】熊本城は大地震にも負けない愛で守られていた!
大分から3時間ほど車で移動し熊本に入りました。この日の午後の飛行機で羽田へ帰るので、熊本で観光できるスポットはかなり絞らざるを得ません。どうしても行きたかったのは熊本城。この時はまだ2016年の震災前だったので、崩壊前のお城の姿を見ることが出来ましたが、巨大地震が熊本を襲ったのはこの2年半後でした。
もう一つは阿蘇の火口を観てみたかったので、熊本での観光はこの2か所に決まったのですが、天候ばかりはどうしても予定通りにはいきませんね。せっかく阿蘇山ロープウェイは動いていたのですが、中岳付近は霧が立ち込めてしまい、景色を楽しむどころではありませんでした(泣 ロープウェイも熊本地震や同年の大規模噴火により廃業に追い込まれてしまったのですね。
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大分駅前のホテルをチェックアウトし、豊肥本線沿いに出て車で3時間ほどかけて阿蘇中岳のロープウェイ乗り場のある阿蘇山上広場を目指します。国道57号を進みJR阿蘇駅付近から阿蘇吉田線に入って山道を登っていきます。
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熊本県と大分県に跨るように、この辺りは阿蘇くじゅう国立公園に指定されています。そういえば火山活動により出来た大きな凹地を指すカルデラ地形という言葉も、阿蘇が世界最大級であると社会科で知ったような気がします。
阿蘇のカルデラは内側に2万人を超える人口の集落が形成し、広く農地が開墾され、国道や鉄道まで敷設されている例として世界最大級ということらしいです。山道に入っても牛や馬が放牧されていて、長閑な景色が続きます。
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現在の阿蘇山上広場は登山道への入口として大きな駐車場と阿蘇山上ターミナルという商業施設が残るのみで、このロープウェイのりばはありません。
2016年に発生した熊本地震と同年の大規模な噴火により駅舎やゴンドラなどが被害を受けました。入山規制解除からはロープウェイの運行再開に向けシャトルバスも代行されてきましたが、2018年10月運航再開を断念し駅舎とロープの支柱を解体撤去が表明されました。
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旧駅舎の解体から2020年度中の再会を目指して設備の再建工事実施も発表されましたが、今後起こりうる同様の事態への安全性のリスクや地盤の問題などで、経営的影響を考慮し再開は断念され廃業となったようです。観光インフラの民間企業による運営にも限界を感じざるを得ませんでした。
我々が訪れたのは2013年なので、こちらのロープウェイで火口付近まで登りました。中岳火口駅があった場所まで阿蘇山公園有料道路が整備されており、車で登ることも出来ます。昨年(2023年)には火口避難休憩所も新たに整備されたようです。国、熊本県、阿蘇市が一体となって世界的観光地の受け入れ態勢を整えているんですね。
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中岳火口付近には秋田の冬の風物詩かまくらのような退避壕がいくつも見られます。設置当時は11基あったそうです。一つの退避壕には60人ほど入ることができ、サージ対策(高熱の爆風など)から火口の反対側に入口が設けられています。
最近ではこの退避壕を削るように石などで落書きをする観光客が問題になっているそうで、本当に憤りを感じます。監視カメラばかりの観光地は望んではいないのですが、どうしたら抑止できるんでしょうかねぇ…
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この時は天候が悪く、このような綺麗な湯だまりを観ることはできませんでしたが、阿蘇の雄大で逞しい自然を感じることはできました。ロープウェイは無くなってしましましたが、また好天の日を狙って訪れたい場所です。
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中岳火口は世界でも火山活動が活発な火口のひとつですね。地下のマグマだまりから噴出される火山ガスやマグマの量で、火口付近の様子は一変するそうです。最も穏やかな状態の湯だまりでも約60℃の強酸性の湯を湛え、毎日1,000トン近い二酸化硫黄などの火山ガスを放出しています。
2016年の噴火による被害なのか、現在の山上身代不動の祠は木製で建て替えられていますが、印象的な赤い屋根は健在のようです。火口壁を背後に建てられていて、山の安全を見守っているようです。
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阿蘇山の雄大さを体感して熊本市の中心部へ降りてきました。大きな国立の医療センター付近に駐車場があります。駐車場からは二の丸広場が目の前ですね。
西大手門土橋から西出丸西空堀を眺めつつ北口から入城します。お城の奥には熊本城を築城した加藤清正を祀った加藤神社があります。なになや勝負運に特化してご利益があるそうでしたので、もちろんお参りしてまいりました(苦笑
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西南戦争の直前に大小の店主や御殿など、本丸を形成する多くの建物が焼失してしまいましたが、宇土櫓をはじめとする櫓・城門・兵が現存しており、国の重要文化財に指定されています。
天守は1960年に鉄筋コンクリート造で外観復元されたもので、内部は熊本市立熊本博物館文館となっていて、2000年以降に門や櫓、御殿の一部が木造で復元されたんだそうです。
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天守閣西側の曲輪(くるわ)には、大天守・小天守と並び第三の天守とも呼ばれる宇土櫓が江戸時代から現存していましたが、2016年の熊本地震で土台となる石垣を含め甚大な被害を受けてしまいます。
地震から8年となった今年の4月には復旧工事中の宇土櫓が工事の過程を知ってもらおうと一般公開され、多くの人が訪れているそうです。宇土櫓はこれから2年ほどかけて一度解体され、2032年を目標に復旧工事を終える計画だそうです。まだ足腰が元気だったら、復旧した宇土櫓を観に行きたいです。
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天守閣の復旧工事も2021年に完了とされていますが、城全体の完全復旧にはまだまだ時間がかかりそうです。熊本城全体の復旧の様子は、熊本城のwebでも詳細に報告されていますので引用しておきますね。
国内には名城と呼ばれるお城が数多く残されていますが、熊本城は個人的に大好きなお城です。いや、私だけじゃないはずですよね。
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天守閣から臨む熊本市内です。東側を覗き込んでいますがクマモンがいましたね(笑 修学旅行生と思われる中高生も多くみられて、熊本生まれというわけではないのですがとても嬉しく感じました。
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本丸御殿下の闇り通路(くらがりつうろ)に続く頬当御門の階段です。地下通路に入ると高い確率で武士の恰好をしたおもてなし武将隊の案内人の方が出迎えてくれます(笑 ちゃんとお話を聞いてあげましょうね(苦笑
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阿蘇と熊本城を巡ってすっかり熊本観光を堪能した気分にはなれましたが、まだまだ赤牛や馬刺しなど、熊本グルメを堪能できていないので帰るのが惜しいですね。
こんなに地元民からの愛を感じられる街も貴重な存在に感じました。熊本へは絶対にまた来ますよ!
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往路の大分空港へはANAに搭乗しましたが帰りの熊本空港からはJALですね。この頃からちゃんと計画的にマイルを集約して、ステータスを狙った方がいいんじゃないかと思い始めました。
阿蘇山ロープウェイ
【番外】在りし日の阿蘇山ロープウェー | Style -Train Graphics- (design-the-sight.com)
阿蘇中岳
熊本城
宇土櫓
400年以上の「生き残りの歴史」 熊本城『不屈の宇土櫓』10年の解体工事へ… | TBS NEWS DIG (1ページ)
阿蘇くまもと空港
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