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事実と虚構の中間的な掌編

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#短編

欠落、こうして【掌編】

欠落、こうして【掌編】

 久しぶりに彼女ができた。2年ほど身を粉にするほど仕事に一意専心だったぼくにとっては、実際の時間以上に久しく感じる。それほど、ぼくは熱中し没頭していたし、少しずつ、気づかないうちに魂をカンナみたいに削っていた。あるいは、気づきながらも。

 学生時代、ぼくは子ども向けキャンプのボランティア団体に所属していた。彼女は、1年生のときから仲が良く、何度か同じ現場でリーダーをしたり、数人で飲みに行ったりす

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