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日記と呼べるほど具体的なことは書かれない、雑文集。

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#絶望

日本人は全員「ティファニーで朝食を」採るべきだ、みたいな雑文

「ティファニーで朝食を」とったことがあるか?  1950年代、明け方のニューヨーク。空に白みが掛かる時間帯のせいか、車通りも人通りも見当たらない。劇中歌の「ムーン・リバー」が流れ、一台の黄色いタクシーが五番街に停車する。タクシーから黒のドレスを華麗に着こなしたオードリーヘップバーンが現れた。タクシーが停車したのは、あの「ティファニー」の目の前。パン屋さんの紙袋からクロワッサンとコーヒーを取り出し、ティファニーのウィンドウを眺めながら、サングラスかけ朝食を取る。満足そうに、ど

実は一番の抗うつ剤は「90年代後期ミスチル」だった【前編】

 また太陽が昇ってしまった、と窓の外に目をやる。「明けない夜はない」みたいな言葉が使い古されていて、ほとんどなんの重みも感動ももたらさないと思っていた。でも、本当に明けない夜はない。毎日、正確な時間に太陽が登る。憎くて、でもちょっと嬉しい事実だな。  最近夜になったらミスチルをずっと聞いている。小学校のときに「抱きしめたい」をひょんな機会で聴いて、それ以降90年代のミスチルを中心にウォークマンが擦り切れるくらい聴いた。もちろん、ウォークマンは擦れないし切れないけれど。なんに

夜の川は絶望するのに丁度いい

 夜に川へ行く。理由はない。その日、気分が向いたからだ。いつ気が向くかはわからない。次は明日かもしれないし、3年後かもしれない。基本部屋から出たくないのに、わざわざ川まで出向くなんて輪をかけて面倒くさい。目的もないし、もちろん得られるものもなにぶん無い。  それでも、自然と足が川へと向かう時がある。時間帯は、決まって夜。アメスピとZIPPOだけ持っていく。他はいらない。アメスピは長いからさ。酒が飲みたい時はローソンでハイボールだけを買う。ロング缶。どうせちょっと残すのに、人