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日記と呼べるほど具体的なことは書かれない、雑文集。

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2019年8月の記事一覧

真実への探究心さえ、ぼくに機能不全を促す

 「ほんとうのことを知りたい」と、いつしか思うようになっていた。その願いというか祈りはほとんど偏執狂みたいに10代半ばからのぼくの思考と行動の多くを支配する鉱脈となり、今でもその根元にこびり付いた化石のように存在し続けている。  真実とは大きく2つの方向性を与える。つまり、自己に関する真実と世界に関する真実だ。どこまでが自己で、どこまでは世界なのか、そういう可分な二項なのかどうかは、特に10代の時分には分かりかねた。今でも明確な結論めいたものは持ち合わせていないが、仮説の数

信じれば、望めば、頼れば。

 学校にいる。大学ではなくて小学校にいて、若手成人向けの教育プログラムを開催している。校舎の窓から外を眺めると、三方向とも山で、昨夜から降り続く雨が校庭を濡らしていて、もったりと湿度で重たくなった空気で汗ばみながら、ゆったりとした気持ちで参加者を見ている。今この時間、コンテンツは存在しない。自由に2時間以上の時間が与えられている。しかし、誰一人として持て余している人は存在していない。談笑の輪が大小と、昼寝する人、バスケをする人、1人整理をする人。自由に存在している。つまりこう

湖とぼく、世界とぼく【掌編】

 【18:27】薄暗さを帯び始めた夏の夕暮れに、ぼくは露天風呂に浸かっている。 うだるような暑さがビルに反射し輪をかけて嫌気が増す都会。耳をつんざくセミの声が溢れる郊外。室内は室内で、殺人的な温度の低さの冷房が体をうざったく吹き付ける。そんな都会の夏からエスケープするように、今は田舎の露天風呂に浸かっている。路面電車が走るような面倒見がいい田舎の温泉。  露天風呂には、風呂が合計3つある。露天風呂の中心部には、グルメ特集が流れるテレビ付きの大きな浴槽。一つは、3つ並んだ五右