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看護の仕事の見える化                        在宅医療偏 第6回  訪問看護師の波紋が人々の幸に                               

1.一般社団法人在宅看護センター北九州のご紹介            

ホームページより一部抜粋

 ホームページを開くと代表理事である坂下聡美さんの言葉に感動を覚えました。なんと情緒豊かな表現でしょう。そのとおり、坂下さんのこれまでの歩みは、波紋のように地域住民の中に広がり、新しい取り組みをされています。
 在宅看護センター北九州は、設立して約7年となり、紆余曲折を経て、坂下さんの思いは今、「働く職員が笑顔で幸せを感じるようにすること」を第一に考えているとおっしゃいました。お母さんが笑顔でないと子供は幸せでないように、看護師が笑顔でないと患者さんは幸せになりません。「看護師は患者さんのためにと考えがちです。それも大事ですが、自分たちの幸せにつながるサービスをすることを大事にしています」とお話してくださいました。これまで失敗もあり、経験の中で導き出した言葉だからこそ重みがあり、愛を感じました。

2.難病の患者さんの命と生活を守る取り組み

 看護師さんの役割は、病気があっても障害があっても、安心できる生活が送れるように支援することです。在宅看護センター北九州では、難病であるパーキンソン病の利用者さんが20名ほどいらっしゃいます。
パーキンソン病は、脳の特定の領域がゆっくりと進行性に変性していく病気で、ふるえやこわばりなどの症状があり、動作が緩慢になる、細かい動作がしにくいなどの特徴があります。在宅看護センター北九州のスローガンに「ナースが社会を変えていく」ということがあります。看護師の視点で生活を見た時、どういう時に患者さんは困るのかそしてその対応などを記した「パーキンソン病の患者さんのためのチューリップ手帳」を作られました。この手帳は、看護師のみならず、他の専門職の視点を取り入れ作成されたものです。近日中に在宅看護センター北九州のホームページ、北九州の市役所ホームページに掲載されますのでご覧になってください。

坂下聡美さん
チューリップ手帳

3.地域、垣根を超えた波紋 看看連携

 新しい取り組みとして、医療的ケア時の修学旅行の付き添いと利用者さんの希望を叶えた取り組みをお話しいただきました。
 訪問看護の場は自宅や施設等だけではなく、学校や、病院や旅行の付き添いなどニーズが高まっています。学校の看護師さんと連携する訪問看護の活躍の場を広げられています。
 また、終末期にある利用者さんが、亡くなる4日前に、宗像大社に参拝に行きたいとおっしゃったそうです。安全面の配慮も万全に行い、宗像市の看護師や理学療法士の方の協力を得て希望を叶えることができたというお話をお聴きしました。当然、今回の宗像大社の同行は、介護保険、医療保険での訪問看護の報酬は認められていません。しかし、余命いくばくもない利用者さんの願いを叶えることは、私たち看護師にとっても喜びであり、満足感につながることではないでしょうか。訪問看護が行っていることには、直接報酬につながらないことも多いですが、意味があることなのです。本当に素敵な仕事です。この大事な仕事を訪問看護の仕事として認めていただく取り組みも行っていかなければならないと思っています。

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