見出し画像

038 妻の両親の終活⑤~銀行回りは1ヵ所で半日潰れる。

《前回の話》

司法書士の野田さんに依頼をした任意後見人の手続き完了後、義父の貸金庫から大量の通帳が発掘。今後の老後の生活費のことなどもありますので、義父母や妻と話し合った末、最低限の数冊に整理することにしました。何せ通帳はその他にも義父のみならず義母のものも大量にありましたので。

義父母が元気なら夫婦でも十分に対応できたでしょうが、今や高齢化した両親だけで銀行回りをすることは不可能。仕方なく、私と妻が平日に休みを取れる日を選んで同行することになりました。車いすを積んだ車を出して運転するのは私の役目で、当初は1日で全部の金融機関を回ればいいだろうと軽く考えていたのですが、その見通しはかなり甘かったです。しかし義父が亡くなった後で通帳が見付かったとしたら、さらに面倒な手間が掛かることになったことでしょう。

衝撃!両親は暗証番号を全部忘れていた!
大量の通帳を整理して集約するのも結構な手間でしたが、中にはもう存在しない銀行の通帳も。さらには近所の支店が統廃合されて建物ごとなくなっており、最も近い店が車でしか行けない遠方になってしまっているケースまでありました。おまけにせっかく作ってあったキャッシュカードの暗証番号を両親がすべて見事に忘却。カードも暗証番号も全部作り直しです。これらの書類の手続きの同行が実に面倒で。

ここしばらくの間、必要な現金は義母が近所の銀行で下ろしていたようですが、通帳持参で書類をいちいち書いていたとのこと。しかも彼女は字を書くのが億劫になっており、新たな手続きの書類を作成するにあたり住所や電話番号がなかなか出てこないし、なかなか書けない。書くとしてもなぜか毎回眼鏡を忘れてくるので書類が読めない。さらには書き損じて銀行からは何度も書き直しを要求される。

子供の世話が終わると次は親
私と妻が別に義父と義母の担当をして、銀行で書類作成をサポートしたのですが、母など面倒になって何度も怒り始める始末。そのたびに説得したりなだめたりと、作業が全然進まないのです。話はそれますが、以前の義母は穏やかなとても優しい女性でした。しかし老化するにつれ少しのことで怒ったり拗ねたりして、まるで子供に返ったかのように手が掛かることが増えてきたのです。それも私たち夫婦が揃って同行した理由の一つでもありました。

大量の書類への様々な手続きをしていると、1ヵ所の銀行対応を終えるのにほぼ半日かかる有り様。老いた両親は大変だったでしょうが、同行している私たち夫婦も1ヵ所だけで既に疲れ果てていました。結局は1日ですべて済むどころか、義父母と銀行に行くために1か月ほど掛けて何回も仕事を休むことになったのです。私などある意味で気楽な婿殿の立場なので、義父母のやる気のない様子(そりゃそうです)に業を煮やした妻が激怒するのを何度もたしなめることにもなったのですが、これが実家の両親だったら自分はもっと早く激高して途中で投げ出して帰宅していたに違いありません。

何とか通帳を整理し終えて、カードもすべて再発行を完了。今後は管理がしやすくなったはすです。このように私の今年の8月は自分の実家の問題もあって仕事を休むことが増え、あちこちに迷惑を掛けることになりました。特に仕事仲間の方々には様々な対応の遅れが出てしまい、本当に申し訳なく思っています。唯一良かったことは、4人の両親の面倒な問題が一気に押し寄せたことで、大変でしたがまとめて対応できたことでしょうか。

もう一つありました。それはこのように記録しておくべき体験ができたことですね。もう体験したくないですが。

《今日のポイント》
・親の通帳は生前に整理を。
・親はまだ頭が回ると思っていても文字が書けなくなっている可能性あり。
・親と銀行に同行するときには本人の老眼鏡を持参すべし。
・とにかく親が元気なうちに終活の段取りをすべし。

終活問題に関するご相談は、経験豊富なあらゆる専門職の揃っている一般社団法人プリエンド協会までどうぞ。

岡橋秀樹

一般社団法人プリエンド協会 代表理事
公式ホームページ】【Googleサイト
公式FBページ】【公式twitter
岡橋FB】【岡橋Instergram

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?