E139:チカラってどうやって抜くの?
今年はじめ、冬の雪道で派手に転んで以来
片方の腕がまっすぐ上げられなくなった。
以来、数ヶ月。かなり長引いている。
四十肩とか、五十肩とか、もはやそんな名称はどうだっていいけど、とにかく痛い。
で、さらにリハビリがツラい。
こいつはわざと俺にグリグリやってるのではないか?
そんな錯覚を起こして、やんのかステップを踏みたくなるほど、ツラいのである。猫じゃあるまいし…。
自分じゃわからないけど、きっとリハビリ台の上でヒーヒーのたうち回っている私って、世界一カッコ悪いのだろうな…
こんな瞬間に、若い頃の私がタイムマシーンで到着したら、幻滅するか、腹抱えて笑うか、どちらだろう…。
あまりに痛い、こればっかりは、お得意の妄想も役に立たない。
(なぜ俺は、お金を払ってこんな痛みに耐えなきゃいけないんだ!)
そんなふうに逆ギレしたくなるけれど、リハビリの先生に怒ったって仕方がない。
ところで、このリハビリ時のやりとりの中で、
私が困っていることが
「力の抜き方がわからない」という問題である。
「源太さん、力が入ってると余計に痛いですよ。はーい、力を抜いてくださーい」
「抜いてます」
「いいえ、めちゃ力入ってます笑」
「やっぱり?」
「難しいでしょう、でも、意識して力を抜くことを覚えないと、余計に筋肉が凝り固まってしまいます」
理屈はわかっているのだけれど、先生がぐりぐりするので、当然力が入るわけで、世の中の人はそんなに簡単に力が抜けるのだろうか?
それとも自分だけが超絶不器用なのだろうか?
「力抜いてください」
「力抜いてます」
「いいえ、力入ってます」
このような、間の抜けたやりとりは、
毎年人間ドックの胃カメラの際にも繰り広げられる。
もう10年近く連続で、こんなやりとりが続いている。
意識して力を抜くというのは、
実は相当難しいテクニックなんじゃないか?
なんてことを考えていると、また力が入っていたらしい。
「はーい。力抜きましょう」
「抜いてますよ!」
「いや。入ってますって!笑」
「だって痛いですもん!」
「そうですね。知ってますよ。でもがんばりましょう」
おいおい、その、知ってますよ、って何?(苦笑)
あんたのお父さんくらいの年齢だよ。
もうちょっと優しくしておくれ…。泣
こんなやりとりをずっと繰り返している。
そして今日も私は、リハビリ台の上でのたうち回るのである。
あーあ、憂鬱だ。
このリハビリの時だけ、
コピーロボット源太2号みたいな奴に、やらせたい…。
【66日ライラン 超絶テンションの低い54日目】