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E109:あれもパンですか?

今日は24日目です


🎵これも愛、あれも愛
🎵たぶん愛、きっと愛

松坂慶子さん

今や、朝ドラなどではすっかり「いいお母さん」役が板についた。

彼女が、色っぽく歌を歌っていた頃を知っている人はどれぐらいいるのだろう…。

後年、当時のことを聞かれた彼女は、こんなふうに答えたという。

「ふふふ、あれは、前世…」


否定もせず、肯定もせず、
なんだか、和む…。


閑話休題


この曲が流行っていた頃、
小学校に入ったばかりの僕。

当時の担任の先生は、
1年生を初めて担任することになり、
何かとあたふたしていた。

まぁ、こんなふうに空想ばかりしている少年もいることだし、大変だっただろうなぁとは思うけれども、今日はその話ではなく、給食の話。

僕は、食いしん坊だったので、人の分まで欲しいとさえ思っていたから、掃除の時間まで食べているような事はなかった。

子どもの人権などあんまり配慮がないような昭和の時代。
冷えた給食を泣きながら完食させるような、変な指導がまかり通っていた。

自分はその対象者ではなかったけれど、
教室の隅で泣きながら食べている女の子を見ると、
なんだか切ない気持ちになっていた。


低学年の児童は、思うように給食が食べられない。

ましてや、あの当時、
給食のパンはなんだか硬くて
バサバサしていて、パン好きの僕から考えても、
とてもおいしいと言えたものではなかった。


高学年担任の時と勝手が違って、
1年生の給食指導に困り果てた先生は
こんなことを言った。
先生も必死だったのだと思う…。

給食後の5時間目のこと。

「みんな、マクドナルドのハンバーガー大好きやろ? よう考えてごらん。あれもパンやないの。ハンバーグの上にパンがのってるのやで。じゃあどうしてあのパンは食べられて、このパンは食べられへんの? そんなのおかしいやないの?」

「あれもパンやし、これもパンなんよ!」


先生が変なこと言うから、また、スイッチが入った。

困ったことに、少年の頭の中で
松坂慶子が色っぽく歌い始めた。

🎵コレもパン、アレもパン
🎵たぶんパン、きっとパン

目の前の先生の声は、自動OFFになった…。


(……いや先生、それはちゃうやろ?)

先生の話は、それ以降さっぱり覚えていないけど、
あの時、しっかり心の中でツッコミを入れた事だけは覚えている…。
【66日の24日目】

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