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E246: うん、知ってる…でもね

今まで天気が良かったのに
急に濃い灰色の雲に覆われた。
こんな事が最近よくある。

職場の窓からぼんやり眺めていたら、
「これ…、これから来ますよね」
同僚のYさんが、いつの間にか横に来ていた。

「この雲の様子から見ると、結構きついのが来そうですね」

私もそう返した。分かり切っていることを返した。

天気の話をしている。
それには違いないのだけれど、
私は頭の中では、別のことも考えている。

経験上、この灰色の雲は
あと、数分もすると、ゲリラ豪雨をもたらす。
雷も鳴ることがあるかもしれない。

きっとくる。そんなことはわかっている。

もし傘を持たずに歩いていたら、
あと、数分後には、びしょ濡れになってしまう可能性があることも、この時点でわかっている。

でも…もし
傘を持っていなくて
雨宿りする場所もなくて
近くにコンビニもなかったら?

結局、わかっていても、濡れながら歩く羽目になる。

そうなる事は、こうなる前からわかっているのに
どうしようもないのである。

わかっていても、どうしようもないことが、
世の中にはたくさんある。

最近、自分の無力さがつくづく嫌になることがある。

多分経験上、こうなるだろうなと思っていて、だからといって、自分ではどうすることもできない事象があって、

これを放っておくと、きっと、ああなって、そうなって、最後にはこうなる。うん、やっぱり。

思った通りの結果になってしまうと
もう、ため息しか出てこないわけである。

んなぁことは、とっくにわかってんだ!
でも、どうにもできねえんだ。

外は暗い。
雨は止まない。

でも、歩き出さなきゃいけない。
そんな日もある。

でもね、
経験を重ねて1つわかったこと。

「その雨は、いつか止む」


僕は、何もしてあげることはできないけど
背中にエールを送るよ。

今はそれしかできないのが
歯痒い…

 【連投167日目】


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