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どうせなら地主になりたい

先にお断りを。

人によってはちょっと不快な表現があるかもしれません。特に「出血」の描写に弱い方、女性の生理については読みたくないな、と思われる方はここで引き返してくださいませ。(でも生理の話ではございません)


ではどうぞ。


一昨日のこと。

私は家で仕事ができないタイプだ。どうしてもやれ洗濯だのやれ炊飯器のスイッチだのに気を取られ、いつの間にか洗い物をしていたりして「なにやってるんだー!」となりがちなので、外で文章を書いたり思考の整理をすることにしている。

昨日は家の近くのショッピングモールのフードコートが仕事場になるはずだった。家族の買い物を済ませ、マクドナルドでアイスコーヒーを注文した。

ちなみに家族の買い物はユニクロのボクサーブリーフだった。ユニクロの男性下着売り場で49歳女性がボクサーブリーフを手に取るのはそれほど違和感がないだろうが、逆に49歳男性が女性下着売り場で下着を手に取っていたらえらいことになるかもね、なんて思いながらの買い物だった。(え?違和感あるやろ!と思われた方はごめんなさい)


歩いていると、どうも下半身に違和感がある。お尻の辺り。どうもが肌にジーパンが触れる感触が変だ。なんだろなーなんて思いながらお尻に手をやると。

濡れている。

当たり前だがおどろいた。湿っている、というレベルではない。あきらかにジーパンに染み出しているのだ。もちろんジーパンはそこそこ生地の厚みがある。なのにしっかり濡れている。


「何事?」


一瞬でいろんな可能性を考える。

1、汗
そんなにかくわけがない。
2、生理
最近大人の階段の階段を昇り切り、逆に出血があれば病気が心配。
3、お尻からの出血
たしかに最近調子がよくはなかったが。


そんなことを考えながらジーパンをを触った手を見ると、赤い。

「まーじーかー!」

ジーパンを触った手が赤くなるということは、そこそこの出血量だ。でも私はアイスコーヒーを注文している。とりあえず冷え対策の長袖のカーディガンを腰に巻き、アイスコーヒーを受け取って駐車場へ急ぐ。


運転席に座ったが、このままだとシートを汚してしまうかもしれない。たまたまプラスチックのクリアフォルダーがあったので、座布団がわりにする。こうやって書いていると、私はなかなか冷静だったようだ。


帰宅後すぐにシャワーを浴びて、汚れた下着とジーパンを水洗いする。(やっぱり冷静、お湯ではなく水で洗っていたものね。ちなみに血液はタンパク質を含むのでお湯で洗うと固くなり汚れが落ちにくくなる)

そしてシャワーを浴びつつ、出血元を探す。

お尻だ。

ここで私は第1弾ホッとする。更年期な私は、子宮からの出血であれば、周期の乱れた生理の可能性よりも、病気の症状である可能性が高くなる。しかもこの出血量は危ないだろう。その可能性は除外できた。(やはり冷静)

とはいえなかなかの出血量。おそらくまだ止まっていない。おまけに小さな小さな血の塊もある。どんだけ出血してるんだ?

シャワーを済ませ、お尻のかかりつけ医の診察券を探す。診察券を確認すると、残念ながら診療受付は終わっている。電話をかけても留守番電話だ。

お尻のかかりつけ医にはもう1年ほど行っていない。去年、大腸内視鏡の検査を受けたのだが、心配な結果はなく内痔核と外痔核。体の中にも外にも地主ならぬ痔主がいるということだ。


「外にも中にもあるから注射では治らんねー。治すなら手術ね」

それを聞いた私の「あー手術は嫌だなー」という気持ちが顔に出たのだろう。

「別に手術はせんでもええよ。痔で死ぬ人はいないからね。僕の親父はあの世まで持っていったよ」
と笑いながらおっしゃったので、私は安心して放置の道を選んだ。


大腸内視鏡は1度受ければ数年はしなくていいと聞いている。ということは1年やそこらで大きな病気には至らないはずだ。受診は明日にしようか。でも今までで最大の出血量だ。さすがに心配なので、お尻のかかりつけではないが近くの医院に行くことにした。



先生に経過を話し、いざ触診。当たり前だが気持ちのいいものではない。特に体の中に器具が入っている感覚は、一番苦手だ。胃カメラでも大腸内視鏡でも子宮癌検診でも、そして進行中の肛門鏡の気持ち悪さは同じ。どうか単なる痔出血でありますようにと祈りながら気持ち悪さに耐える。


結果は痔出血。特に気になる所見はないと。第2弾、ホッと胸を撫で下ろす。

「出血が多くてびっくりしたやろうけど、これくらいは僕らは想定内やね」

これが想定内なのかー!でもある意味安心だ。
そして注入軟膏をもらって帰宅した。

ではこの出血大事件の学びをまとめてみよう。まずは医療事務的視点から、豆知識を書いてみたい。

<痔は何科なのだ?>
基本的には外科。しかし外科を標榜している医院は、内科ほど多くない。そんな時はよく行く内科に相談をしてみる。内科で診てもらえる時もあるし、近くの医療機関を教えてくれることもあるだろう。

案外知られていないが、内科の守備範囲は広い。
もちろんその先生がどこまで対応してくれるかは、個人差や医療機関の方針にもよるが
・痔
・膀胱炎
・虫刺されや湿疹
・ちょっとした怪我
・花粉症
などは内科で対応してくれることも多い。
皮膚科や外科、耳鼻科がやってない!という時は内科(お子さんなら小児科)で相談してみる価値はある。


<お尻を診察してもらうときの装い>
ベストはロングフレアスカートだ。生地はまくり上げられるよう柔らかい薄手のものがベスト。ちなみにお尻の診察は横向きで膝を曲げての診察になる。間違ってもスキニーパンツで行かない方が良い。
ちなみに私はお尻診察上級者なので、もちろんロングフレアパンツで出陣した。


続けて私の学び。

<小さな不調をあなどることなかれ>
たとえ49歳であっても、やはり自分のお尻を診察してもらうというのは全く気が進まない。だからちょくちょく出血していても「まあ、いつものこと」と病院へ行かず放置してきた。その積み重ねの大出血劇。「お主は自分の体を過信しすぎじゃ!痛い目に遭えば良い!」との神様からのデコピンであろう。反省します。

ちなみにこの、お尻を診察してもらうという気の進まなさは
「片付けのプロに家に来てもらう」
に近い感覚ではなかろうか。

私は手帳講師として活動しているが
「私の手帳を見せるのは恥ずかしいです!」と言われることも多い。それにも近い感覚かもしれない。

私も片付けのプロも医者も、そんなことは全く気にしないのだ。


<それでもやはりブログに書く>
もちろん焦るし何か大きな病気ではないか?と思いつつ「何事もなければこれはネタにつかえる」と心の隅で思っていた。でもさすがの私もこの件については書けないなーと思っていたのだ。しかし、仲の良い友人に「書くべし!」と言われこうやって書いた次第だ。(人のせいにするな、私)

人生はネタだらけ。
こうやってネタにして書くことができるというのは幸せなこと。何事かあれば今日こんなふうにブログを書くことさえできなのだから。




私の痔主歴は長い。初めてお尻の診察を受けたのは25歳頃だろうか?食中毒になり、とんでもない下痢に見舞われ、お尻の使い過ぎで血栓性外痔核を発症。倒れそうになるほどの激痛だった記憶がある。

息子を出産した時も、大痔主となった。妊娠出産に伴い痔を発症することはよくあることだが「こんなに大きなのは久しぶりに見たな!」と産科の主治医に言わしめるほど立派なモノだったらしい。お尻が痛すぎてよちよちしか歩けず、生まれたばかりのふにゃふにゃな息子を抱き、私はどうやって生活すれば良いのかと不安しかなかったが、16年経った今はしっかりとネタになっている。



これほど長い付き合いなら、痔主より地主がいい。それも大地主。1字違いで大違い。ここは人生、間違いたいと切に思う。




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