麻の着物に麻の帯
これからお盆休みに突入、という方が多いと思いますが、一足早く盆の墓参りをしてきました。
まあ、早くお迎えに行くぶんには、いいかな…、と。
今週、夫は九州へ出張に行くはずだったのが台風の影響で延期になり、ぽっかり予定が空いてしまったのです。
で、突如「今日行こか?」と提案されたというわけです。
家にいると二人それぞれが、それぞれ別のしたい事をするという流れになり、一緒に過ごすという感じにはならず、今は夫と一緒にいたいなあと思ったので、慌てて”お着換え”しました。
相変わらず汗だくで着替えたので、ひどい着付けです。
毎回、写真でチェックして「ヨシ!」となるまで帯を直し、「ヨシ」となったのをココに載せておりますが、1発目だとこんなもんです。
とくに夏は、本当に汗で布が動いてくれません…。
それで、今回は夫を待たせているので、
イメージで「右のタレをこのくらい下げて・・・、襦袢の襟を引いて・・・」と、これ以上写真チェックはせず、
まあこんなもんかな?で終わらせて、いざ出発。
大胆な大柄のトンボがいいな、と思って購入したアンティークの麻着物。
帯は、素材そのものを楽しむ感じであっさりとしたつくりの現代もの。
夏休みは、トンボとり名人(?)の息子がちびっこだった頃、トンボとりに連れていってと頼むので、よくこの着物を着て行って2時間くらい付き合いました。
子育てのモットーは「自分もその時間楽しむ。」
一緒に遊ぶというのもありますが、息子は一人でトンボを捕ることに集中するわけですから、親は遠目に見守るくらいしかやることがありません(笑)。なので、日陰を探して読書するか、紙と鉛筆を持ってボケーっとしつつ子どもをスケッチしてました。
夏の着付けなので、帯周りは物理的に軽やかに。
せっかくの麻素材の帯なので、芯をいれずに仕立ててもらいました。
すご~く軽いです。
嘘つき襦袢にひもを付けてあるので、胸ひもは要らず、伊達締めも着付け後は抜きます。抜くときにスーッと楽になる瞬間がいい。
帯枕の紐と帯揚げがあれば充分です。
汗で布が滑らず、帯は、もっとギュ~ッとしたかったのですが緩めなうえに、芯も無いですからぽわぽわ。
だけど、帯板を入れる気にはなれず、そのまんま帯締めをしました。
さて、ちょっと遅めの出発になったので、供花を買うついでに軽食も買って、昼ご飯は車の中で。
久々に「助六」。
夫は運転しながらパンとかおにぎりとか。
車に乗って外の景色を眺めながらだと、数週間前までの夫婦間のギスギスした感じもまるで何事も無かったかのように(それとも、それを意識したうえで?)、流れていく景色に合わせながら目についたもの、思い出したことなどを、だんだんポツポツと話すことができて良かったです。
思っていたより、墓がきれいにされていて、枯れた花はそのまま置いてありましたが、誰か少し前に来たのかも?と思うくらいだったので、掃除はいつもより少な目で終わり、帰りに、前々から気になっていた味噌饅頭屋さんに寄ることにしました。
「新井屋」さんです。
外で後姿を撮ってもらおうと思ったら、突如の土砂降り。
店員さんが、饅頭を包んでくれている間に夫に撮ってもらいました。
タレも襟もちゃんとなってて良かった・・・。
外を観光するわけではないから、いいっちゃあ、いいんですけど、最後に「ヨシ!」となるまで直さず出てくると、どうなってるか気になるもので。
味噌饅頭と味噌プリンを購入。
味噌プリンは、食感が気泡を含んで極わずかにババロア感があり、好きな食感でした。味も濃厚です。カラメルが苦手なのですが、みたらしっぽいタレなのも良かったです。
車窓から帰り道に見る筑波山。
私としては珍しく、ピンボケ無しの綺麗な色の風景写真が撮れました。
台風の雲で、天気の境目がばっちり見える。
さっきまでの土砂降りと、この晴天と・・・。
でもまた、次の雲が大雨を降らすんだなあなどと眺めながら、
まるで「人生だわあ」と思う。
途中、京都王将で餃子を買い込み、夕飯は「ぎょうビー」で。
私は嬉しすぎて飲み過ぎたのか、空腹と脱水でアルコールがしみわたり過ぎたのか、歯磨きをしている途中で歯ブラシをくわえたまま、居間で爆睡してました。
翌日、夫に
「きのう、知らない間にここで寝てたわ~」
というと、
「歯ブラシくわえたままで危ないで、って、何べん起こしても、起きへんかった~、やばいで。」
と言われました。
ただの墓参りだけど、私にとってはとってもいい一日でしたー。