見出し画像

連休が終わる度に、独り身の私が思うこと。

世間的に長かった連休も明日で終わり。

私はフリーランスなのであまり連休は関係ないのだけど(休みもぼちぼち仕事してたし)、お客さんの会社が動き出したり、ずっと休みだった動物病院がはじまることで「連休が終わるなあ」って感じてる。


こういう大型連休が終わりに近づくと、テレビのニュースでは「帰省ラッシュ」が取り上げられる。

帰省のピークは何日だとか、新幹線の乗車率が何パーセントとか、高速の渋滞情報とか。

そして「各地で年末年始を過ごした人たちの声」が放送される。

駅のホームや空港で、降りてきた人たちが「どこで何をしてきたか」を話す映像だ。

小さな子供が話す「しんがぽーるにいってきた。ぷーるでたくさんおよいだ」とか、「おばあちゃんにおとしだまもらった」とか、赤子を抱いた人が「両親に子供を見せに行ってきました。すごく喜んでくれました」とか、おじいちゃんおばあちゃんが「孫たちが大きくなっててねえ。やっぱりかわいいですね」と嬉しそうに話したりとか。

年末年始だけじゃなくゴールデンウィークとかお盆にも繰り広げられるこの放送。

私は、これがすごーく嫌いだ。

いや違うな。
別に一人で見る分には「あっそう」で終わるのだけど、夕食を食べながら両親と一緒に見せられるのが嫌い。というか非常に居心地が悪い。

シンガポールに関しては「年末年始に家族旅行できるって、金持ちでええのう」という感想なのでまた別件なのだけど、「おばあちゃんに」とか「祖父母に」とか「孫が」とか、そういうのがすごーく居心地が悪い。というか、しんどい。

私は独身で子供もいない。
そして私はひとりっこなので、両親には孫がいない。

その3人で「祖父母」と「孫」の楽しげなシーンを見なきゃいけないのは、なかなかに苦行である。

親は何も思ってないのかもしれないけれど、私は「またはじまった…このニュース…」ってなる。
多分明日もなる。


それで思い出したけど、土曜の夕方にやっている「人生の楽園」という番組があるのだけど、知っている人はいるだろうか。

大体が「会社を退職して田舎に移住し、お店(カフェとかパン屋とか蕎麦屋が多い)をはじめた人に密着取材」って感じの番組なんだけど、多くが早期退職した年配の人たちで、休日には息子(娘)夫婦と孫が遊びに来る。
そして大きなテーブルに並んだ手料理を囲んで、みんなで家族団欒をする。

なぜか両親はこの番組が好きで、ほぼ毎週見ている。
父は「ど」がつくほどの田舎出身なので移住に興味はないはずだし、自分で好きに仕事をしているから今更お店をはじめたいってこともないはずなんだけど、毎週「お、今日は『人生の楽園』だ」とか言って見てる。
母も同じく「今日は『人生の楽園』だわ」と言って、18時前になるとチャンネルをテレ朝に合わせる。

なので、土曜の夕食時は毎週、どこかの孫たちと祖父母の和やかな時間を見る羽目になる。

私は毎回そのシーンになると非常に居心地が悪いのだけど、あれ?もしかして両親はなんとも思っていない?の?
え、そうなの。そうなのかな。

だとしたら、なんで私だけいつまでも居心地悪いんだろう。
まだどこかで「踏ん切り」がついていないってことなのだろうか。
親への申し訳なさみたいなものが。
ずっとどこかにこびりついてるってことなのだろうか。


2020年時点で、「50歳の時点で子供がいない=生涯にわたって子供を持たない女性」は27%だという。
つまりざっくり4人に1人。

私みたいに「子供がいない」という人は、もうそんなに珍しいことじゃないのかもしれない。

でもまだ私の中に残るこの「罪悪感」や「申し訳なさ」みたいなものは、どうやったら消えるのだろう。
両親がいなくなったら、この「申し訳なさ」はなくなるんだろうか。
それまで待たないといけないのだろうか。

ううん。そんなの待たなくても「私、子供がいないけどこの人生が好きよ!」と胸を張って言いきれたら、親に対してでも世間に対してでもなく、自分自身に向かって「私はこの人生が好き!」と言えたら。

きっとこの「申し訳なさ」は消えてくれる気がする。

それがいつになるか分からないけど。
その日に向けて、一歩ずつ進んでいけたらいいなと思う。


そもそも、頑張って生きてるんだから。
申し訳ないなんて思わなくていいんだ。きっと。

いいなと思ったら応援しよう!

オカダトモコ 旅が好きなライター / カメラマン
いただいたサポートは猫たちの養育費に使わせていただきます。ありがとうございます。猫たちがいるから生きてます。