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東京在住者から見た『福岡のスタートアップ』の意味

こんにちは、モノづくり×AIスタートアップのスカイディスクでCFOをしている岡田です。

スカイディスクにジョインして2か月。スタートアップ2社目でいろんな違いも見えてくるようになりました。
その中でも今回は、福岡に本社があるスタートアップの意味合い、というか東京のスタートアップと福岡のスタートアップの違いについてお話しようと思います。

福岡のスタートアップと東京のスタートアップ?

2020年以降、リモートやハイブリッドの働き方がスタンダードとはいえ、

  • 登記上の本社が福岡

  • 最も大きいオフィスが福岡

  • メンバーの現住所として最も多い地域が福岡

ということは多くの違いを生みます。

そこで、仙台出身で東京在住の私から見たときに、東京のスタートアップと福岡のスタートアップに感じた違いをご説明します。普段「九州いいよいいよ」言ってますが、なるべく包み隠さずシェアできればと。
(上記趣旨ですので、客観性というよりは個人的な感覚が強めです)

福岡空港はアクセスがとてもいいのですが、保安検査場がめちゃくちゃ混みます・・・

(そもそも)結構増えてる地方スタートアップ。その中でも際立つ福岡

東京のスタートアップにいたときは全く意識していなかったのですが、そもそも地方のスタートアップは結構ありますし、増えています。
従来は大学発のバイオベンチャーや地方創生系が多かったと思いますが、近年は幅広くなっている印象。
福岡に限っても、アイキューブドシステムズ、ヌーラボ、ヤマップなど上場/未上場の素敵なスタートアップがたくさんあります。
(福岡にわかなので、有名な/素敵なスタートアップもっとあるかも・・)

福岡についていえば、現任の高島市長が2012年に「スタートアップ都市ふくおか宣言」を出してかなり先駆者的にスタートアップを支援してきた歴史があります。
確かに、地方発スタートアップはその地域の後押しを感じることは多いですね。

開業率も1位なんだとか↓

というわけですので、地方だから一般にdisadvantageを背負っているというのではなく、中身でみていくのがよいかと思います。
(社数に対する上場確率みたいなものがもしかしたら違うかもしれませんが、本旨ともずれるし面倒なので触れません。今回はあくまで定性的な差ということで)

東京のスタートアップと福岡のスタートアップ、両方に入り込んで感じた違い

①立地

はあ、と言われるかもしれませんが立地が違います。
立地の違いは、戦略の違いがあるからです。よくあるのは研究拠点との連携を重視するケースで、九州大学での研究開発に端を発するスカイディスクもこれに該当します。

あとは、顧客が特定の地域に偏っているケース(製造業向けビジネスが愛知県に多かったり)や、製造・物流上の理由で選んでいるケース(物流拠点や製造拠点の確保のしやすい場所)もあります。

IT系のスタートアップはあまり立地が戦略的な差別化につながることはないかもしれませんね。ただ、東京以外の場合は、なぜその地で創業したのかを理解することは重要なポイントになると思います。

↓うちの代表がスカイディスクの代表になった経緯も、福岡・九州という文脈が深く関わっています。

②リソースの違い

ヒト、情報、カネで見たときにも違いがあります。

まずヒトについて。

スカイディスクの採用活動で東京の方とお話していて、福岡であることを理由に候補者の志望度が下がったと感じることはありません(逆はあります)

ただ、九州に住んでる方のプライベートの知り合いは九州に住んでいる人が多いので、スタートアップの主な採用ソースであるリファーラルでの戦いはやや大変かなと思います。

もちろん九州に縁があるだったり、今九州に住んでいて東京の会社で働いているなどの場合は強烈なアドになりますし、状況次第ではあります。

結果として集まった人の前職などをみるとそこまで違いはない気がしますね。リモートがスタンダードなこのご時世、ヒトのスキル差みたいなものはないのではないかと思っています。

次に情報について。

上で書いた人のつながりみたいなことの延長として、当然九州在住のケースでナチュラルにスタートアップ界隈・VC界隈に知り合いがいるケースは少なくなります。
スタートアップが集まるコワーキングオフィスみたいなのも多くはないですしね。

九州在住のメンバーはそういった点で大変な部分もあるようですが、私のような東京在住のメンバーや、東京からUターン・Iターンで福岡に来たメンバーは当然その限りではありません。むしろネットワークが広がったなと思うくらい。

ただ、東京のスタートアップにいるときよりもより積極的にデジタルスペースでのネットワーキングを意識するようになりましたし、社内のメンバーに積極的にスタートアップ界隈に絡んでいってもらうような動きは増えた気がします。
東京在住メンバーだからこそできることかなと思っていますね。

最後にカネ(ファイナンス的な)について。

正直これはあるかなと思っています。結構不利、というか追加的なコストがかかるなと思うシーンは多いです。

直接的に、東京に事業所がないと融資を検討できないといわれたこともあります(地銀とかではなく某政策金融機関)。
スカイディスクはもとから事業上の理由で東京に拠点を持っていたので大きな影響はありませんでしたが、なかったらかなり厳しかったなと思っています。

情報に地域差はないとは言え、地銀のスタートアップ向けファイナンスの実績はまだまだ少ないですし、VCのアンテナも東京と同様に張り巡らされているとは言えません。
(あとは地方の場合、起業家以上にファイナンスバックグラウンドの人材が不足しているという話は聞きますのでそのあたりも影響あるかもしれません)

まぁこのあたりは事業で語れば解決する範囲ではあるので、レイターステージになればなるほど差はなくなってくるのかなと思います。

③コミュニケーションの違い

東京にいながらリモートという人はいっぱいいるでしょうが、東京在住者が東京のスタートアップで働くケースと比べると違いはあります。
(北海道在住のエンジニアとかは基本的な転職の選択肢が全てフルリモートなのに対し、東京在住の方はそうでないと思うので)

普段のコミュニケーションについては、SlackやZoom、Gatherなどを使っており全く変わりませんが、やはりオフィスに行くのに飛行機に乗る必要があるわけです。

やっぱり気軽に会えない、会いたいときに会えないというのは大変です。信頼貯金みたいな言葉が使われた時期がありましたが、コミュニケーション足りてないなと感じてアクションしても会えるのは2週間後みたいなかんじになりますし。
もちろん思い立った日に行って帰ってくることもできる距離ですし、そういうケースもありますが、毎回というわけにはいかないのでリモートと腹を括ってコミュニケーションしていくことの重要性はより高まると思います。

④カルチャーの違い

かなり主観的になりますが、九州の人あったかいなぁ、この人たちとがんばりたいなぁとは思いますね。

私がスカイディスクの代表に何度か話を聞いた後、福岡のオフィスにお邪魔したのですが、マネージャー陣とのセッションの合間に15分だけ話した経理チームのメンバーから「今日は泊まりじゃないんですか?残念です。今度泊まりでいらしたら飲みに行きましょう!」と声をかけてもらって本当に驚きましたしうれしかったのを覚えています。その日初めて話した、うちに入るかもわからない人間に対してこんなコミュニケーションしてくれるのか、と。
あとでそのメンバーに話を聞いたら、私がCFO候補だからとかあまり考えてなくて、東京から人が来たら飲みに誘うもんだと思っていたとのことで。
(参画後、福岡で飲みに行くは実現しました!)

九州の方は、歴史的な経緯からなのか、外から来た人を迎え入れて歓迎するということをすごく自然にされる方が多い気がしています。
(スカイディスクだけでなく、前職の医療系スタートアップでも九州の病院を訪問するたびに大変よくしていただきました)


まとめー福岡のスタートアップと東京のスタートアップの違い

会社の目線で見ると、福岡で不利と思うことはあまりないのですが、やはり設定がいろいろ違うのは事実で、その設定をアドにしていくために戦略が必要なのも事実だと思います。
そこに面白さがあり、戦略の独自性につながってくると。

東京からリモートで働くイチメンバーの目線で見ると、

  • いろんなチャレンジもあるが、同時にいろんな人が応援してくれているという状況にやりがいを感じる

  • 東京という立地を生かした会社への貢献の仕方は常に考えていくようになったし楽しいポイント

  • ふと人に会いに行く、ができないのは正直寂しいときもある

  • 全社ミートアップなどで福岡に行く機会がすごく楽しみ(飲み放題5,000円でとんでもないクオリティのディナーが)

スタートアップ界隈、特殊だったりチャレンジングな状況が好きな人が多いと思うので、興味持った方はぜひ話しましょう!
福岡のスタートアップだから紡がれるストーリーを聞いていただければ、やるしかない!という気にさせられるはずです。
そんな魅力(エネルギーの源)がうちにはあります。

ごまさば最強

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