中埜博さんが、クリストファー・アレグザンダーに彼の自宅でインタビューしたときの映像を観た。中埜さんとアレグザンダーは、「多くの国々で、人々が失望感にとらえられている。どうすればよいのか」と話したという。
アレグザンダーの返答はこんな風に始まる。
アレグザンダーの答えはシンプルだ。けれども、私はそんな風に生きているだろうか。
わたしは私の内部からにじみでる美しさのことを忘れてしまっている。あるいは気づかなくなってしまっている。だから、アレグザンダーは問うのだ。
考えるということは、《問い》を省みながら生活することだと思う。
《問い》にはさまざまなものがある。科学的な《問い》もあれば、世俗的な《問い》もある。誰かの言ったことと自分が考えていることが違うことが《受容》できず、もやもやとした気持ちのまま考え続けることもある。
けれども、アレグザンダーの《問い》は、私が普段考えている《問い》を改めて問い直してくる。「君は君の心の内部からにじみ出る美しさに自身として貢献していますか?」と。
ぼんやりと思っていたことや感じていたことに、言葉が与えられたような気がする。私が普段考えていた《問い》の背景にあるべき私が気づいていなかった大切な根本はこれだったのだなと思う。
今年一年、この問いを忘れずに生きよう。