旅のことば。プロジェクトが生まれた日
慶応義塾大学の井庭さんたちと認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ(DFJI)とで、「旅のことば 認知症ともによりよく生きるためのヒント」のプロトタイプ版を2014年に制作した。
下記のノートは、六本木にある国際大学GLOCOMの部屋で、井庭さんたちに「こんなことをしてみたい」と伝えたときのものだ。
ノートは、1) 右ページ中央から下へ、2) 右ページ上から中央へ、3) 左ページ上から下へ、という順番で書かれている。資料はこれだけ。
左ページの進め方のところには期間は1年と書かれている。それが井庭さんに話す前に考えていたスケジュールだ。しかし、井庭さんは「期間が1年は長いですね。学生も冬休み後に散ってしまう。もう少し短期のターゲットはないですか?」と言った。
そこで、G7認知症サミット後継イベントが11月にあることを伝えた。井庭さんは「それはいい。だったら英語でも出しましょう」と答えた。プロジェクトの目標とゴールが決まった瞬間だった。
そのときの学生、たぶん【こまち】さんだと思うのだが、のびっくりした表情がとても印象的だった。彼女の「マジかよ~」という声が私には聞こえた気がする。打合せをしていた時間は2時間に満たなかったと思う。
3月に二子玉川で始めて井庭さんに会って「パターン・ランゲージ×認知症のプロジェクトをやりたい」と伝えてからしばらくたったこの日、4月25日が「旅のことば」というプロジェクトが生まれた日だ。
改めてノートをみると「出版」という言葉が記されている。このときの「出版」の意味は、研究費で書籍の形でまとめましょうという意味だったと思う。まさか本当にほぼ1年後の5月20日に丸善出版から「旅のことば」が出版されるとは、このときは思ってもいなかった。
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