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鑑賞*鎧戸に二月の風の哭く夜かな

佐野 聰

「風の哭く」は重次の「涅槃図の…」(注1)の句を想起させる。

陰暦と陽暦の違いこそあれ、二月となれば季節も一致する。

この風は、哭く場所を求めて家を訪れているが、鎧戸に阻まれてしまう。

そして次は寺に向かうのでは。

(岡田 耕)

(俳句雑誌『風友』令和三年八月号)

注1…「涅槃図の余白は風の哭くところ」 土生重次

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