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世界のベストセラー『21世紀の資本』から学ぶ格差の法則



一部屋100億円のマンションはバブルなのか?
約十年前、資本主義に異を唱えた一冊の経済書が世界を揺るがした。
その要因はあったのか改めて検証する。
地味な経済学の研究者、フランスの経済学者トマ・ピケティが2013年に発表した『21世紀の資本』に対して、それが最初に抱いた印象だった。
にもかかわらず、この著作は発表直後から話題を集め、研究所としては異例のワールドワイドなベストセラーになったのだ。

プレジデント



印象っていうのはこれ。
地味な経済学の研究者という印象ですよ。

これぐらいにしておきましょうか?
ちょっとね今日。

ピケティね覚えてますか?
というか、まずご存知ですかっていうのはありますけど、昔っていうか、ちょっと前ぐらいか色々話題になりましたよね。


これは格差に関して書いてる本ですよ。
一部屋100億円のマンションバブルなのかどうなのか?
結論から言うとわからないというお話。
というか、百億でも買える人がいるんでしょうっていうお話ですよ。
(補足2024年1月以降、抜け穴だったいわゆるタワマン節税は使えなくなりました。ただし、これは相続税)


で、
その前に1980年代ぐらいから2000年代ぐらいまで、メディアや経済学者は格差を軽視していたというか、あまり話題にならなかった時代もありましたよ。
1980年代ぐらいかな。
1億総中流とかって言ってた時、今の40代以上ぐらいじゃないと知らないかな。
覚えてますかね?

r>g

さっきのr>gですよ。
r>gよりも常に大きくなる。
これは何かっていうとrっていうのは資本収益率のことなんですよ。
まず覚えておいてください。
rは資本収益率で、gは経済成長率です。
rの資本収益率の方は株の値上がりとか、不動産からの収益ですよ。
マンションオーナーですよとかね。
そういう場合、これがrですよ。
株の値上がりや不動産からの収益です。
gは経済成長率って言いましたけど、これは何かというと、労働が生み出す収益ですよ。
要するに賃金ということです。
ピケティが数百年のデータ調べて、常にこれは拡大してるでっていう風なのがわかってきました。
各国の数百年のデータを調べ上げた。
これを著作にして有名になったんですよ。
なんか地味?
最初このコラムを書いた人が言ってたけど、膨大なデータを調べ上げました。

理論でなくデータ

ピケティの場合は理論じゃないんですよ。
理論で言うと、有名なのは、トリクルダウンとかですよね。
一部の豊かな人がさらに豊かになると、雫が滴り落ちるようにその下のほうにお金が回ってきたとかっていう話。
これも一理あります。
そういう理論です。
他にもクズネッツの逆U字仮説というのがあります。
これは何かというと、これはまず理論ですよ。
経済が伸びてくると、経済が拡大すると格差が一旦拡大します。
でも、さらに経済成長が進むと労働力不足が起きて賃金が上がって、どこかで格差が縮小していくという理論ですよ。
まず逆U字なんでね。
アルファベットのUの形をイメージして、それを逆さにしてください。
上と下を反対にして経済が成長していくと格差は拡大するので、上のほうに登っていって。
で、
どこかで労働者不足が発生して下のほうに伸びていく。
逆U字なので格差縮小ということですよ。
これがクズネッツの逆U字仮説。

住商グローバルリサーチより

r>gを解消する方法


戦後ぐらいから、1950年代ぐらいから80年代ぐらいまでは、これが当てはまったんですけど、ピケティは実は数百年分データ調査してるんで、これは例外ですよっていうのは分かっていたんです。
それを除くと常にr>gですよと資本収益の方が労働収入よりも多くなりがちだということを知っていました。
金融資産とか不動産とか持ってる人たちは、経済成長率以上の収入が入ってきて、労働者は格差が開いていくばかりですよっていう、それに気づいたということです。
そうなるトマ・ピケティはどう言ってるかっていうと、これに対処する方法。
これは単純に2つしかないんじゃない?って言っています。
1つは金融資本に対する課税ですよ。
金融資本というか、資本というか資産かな。資産課税。
日本だと固定資産税くらいしか今僕が思いつくのはないですね。
細かいのはありますよ。
自動車持ってたら重量税とか色々ありますけど、今パッと思いついたのは固定資産税をもうちょっと大規模にやるっていうことですね。
そういう意味では冒頭の100億円のタワマン、巨額なので固定資産税も高くなるとは思いますね。おそらく。
これは不動産なんで貯金とかに対しても税金を掛けていくっていうお話かな?
一つはさっき言いました。


それともう一つは累進課税の強化ですね。
今でも日本は累進課税は累進課税ですけど、さらに強化っていうことですよね。
これは格差を縮小するためにっていうことですよ。
1960年、70年、80年もそうかな?
80年代ね、累進課税がきつかった時代はありましたよね。
今が最高税率55%ですよ。日本は。
でも当時は70%とかあったんじゃないかな。
確かそれぐらいあったと思います。
(補足:昭和61年~平成6年は最高税率で所得税+個人住民税は88% 課税所得8000万円以上の場合)


で、次はイギリス。
イギリスは95%ぐらいが最高税率でしたよ。
ビートルズの歌で税金90何%取られてそれをぼやいた歌というか皮肉った歌がありますよね。
タックスマン(Tax Man)っていう歌。
税務署職員の側から見た歌ですね。
この歌詞の中であなたは1つで私は19って言ってるんで、20分の19っていうことですよ。
そうすると95%ですよ。
ただし、今このような累進のきついのでやったとしても、一国だけだと海外出て行かれるんで、どうやるのかっていうのはありますよね。
世界で協調してやらないとなかなか難しいということではありますよ。
それもいいんですけど、あんまり重税感を出しすぎると社会の活力がなくなるのはありますよね。

なぜr>gになるのか?

では、常にこのr>gの不等式がなぜ成立するかっていうお話です。
単純にこれは例えば株にしても不動産にしても値動きがあるものです。
これに対して投資するわけですから、株なら倒産とか、不動産も色んなリスクがありますよね。
物件が使えなくなるとかリスクは生まれますよ。
いずれにしても、株でも不動産でもリスクがあるので、経済成長を上回るだけの期待利回りっていうのがついてますよ。
経済成長は最初のほうに言いました。
労働による賃金とも置き換えられるので、賃金を超えるだけの期待利回りあります。
株なら5%くらいは最低でもありますよね。期待利回りです。
S&P500はもっと高い。
不動産もそれぐらいかもうちょい多いかもしれないんですけど、ありますよ。
なんせリスクを取っているのに賃金の分しか戻ってこなかったら、わざわざやらないですよ。
働いた方がましみたいな話になりますから、リスクはありますからね。
でも、それを上回るだけの期待利回りがあるから、r>gの不等式が成立しているということになりますよ。
そして、お金持ちこそお金をかけられるので、しかも分散できるので、不動産もやって株もやってできますね。
あと、原油とかは金・ゴールドっていうのもありますよ。

日本の格差は小さい方ではあるけど…

ただし、日本はまだ格差は低い方です。
これもデータがありまして1%の上位富裕層の資産保有率。
お金をどれぐらい上位1%の方が持ってますか?ってなったら日本は24.5%なんですよ。
世界は37.8%です。
世界の上位1%の人たちが4割近くを持ってるっていうことになるんですよ。
ただし、下位50%ですよね。
真ん中より下。
下位50%の資産保有は世界だと8.5%。
50%の人で8.5%を持っているんですけど、日本は逆にここより少ないんですよ。5.8%しかないので。
なんだかんだけって日本は30%のリッチとリッチで70%の厳しめの人たちに分けられるんじゃないのっていうことで、30%。
上位30%程度の人の構成要素というかポイントねポイントがあります。
まず1つは親の介護とか親に対する仕送りなし。
2つ目、不動産を所有。
家も含めてっていうことですよ。
3つ目、年収800万円程度以上のこういう人たちが上位30%に入るんじゃないの?とこれは雑誌の記事で書いてますからね。
逆に言うと、厳しめの70%の方は…
親に援助している介護も含めて。
派遣とかパート収入とかで年収は当然さっきの800万とかにはいかないと思うんで、派遣とかパートだけだとね。
そして賃貸ですよと70%の方に入ってくる。
ただし、これからの光明は今までグローバル化によって格差が開いていったんですけど、中国がああいうことになって、どんどんヨーロッパの国も日本も国内回帰ですよ。
そうすると労働者では足りません。
賃金が上がるとクズネッツの逆U字仮説のようになったら徐々に解消していくんじゃないでしょうか?
ということで、こんなところで記事は終わりましたよ。
ちょっと余裕ができたら、株でもなんでも金融資産ですよね。
買っていけたらいいんじゃないか。
それでは。


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