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ゾーニング〜旅館業の許可を取得したいと思ったら〜


旅館業施設の大枠

施設の外線

どこからどこまでが、旅館業許可を受ける施設なのかを、検討します。

一棟すべてで行う場合は、その建物全部が、施設の外線になるかと思う。
なお、離れなどがあり複数棟で、行う場合、棟への行き来の動線を含めて、範囲として面で検討する必要があります。

また、建物の一部で行う場合、「旅館業施設の部分」、「それ以外の部分(他者の専用)」、「共用部分(階段や出入り口)」に分けられます。

「旅館業施設の部分」の出入り口に至る動線が、独立してあるのか、「それ以外の部分(他者の専用)」と共用しているのかを検討します。

ここで、注意しないといけないのは、
条例(旅館業の許可を管轄している自治体が定めている旅館業法施行条例)より、規制が入っている場合があります。

例えば、「台東区」です。

建物の一部で旅館業を行う場合、
階段などの共用部分が、住居系の用途(共同住宅など)とは、
共用して使うことができないです。*1*2

そのため、動線を分けて、
共用する部分がないようにしないといけないです。
なお、商業系の用途(事務所、店舗など)とは、共用できます。

旅館業の施設

大きく3つに分けて考えます。

  1. フロント(バックオフィスも含む)

  2. 客室

  3. 共用部:宿泊者が利用できる部分

フロント(バックオフィスも含む)

「旅館・ホテル営業」の場合、フロントは必置設備ですが、
フロント代替え設備が認められており、
施設内に必ずしも、設置しなくてもかまわないです。

フロントを施設内に設置する場合、
機能として、宿泊者以外の出入り確認を満たす必要があります。
そのため、旅館業施設の出入り口付近に設置することになります。

また、フロントとは、別な概念になりますが、
旅館業施設に、従業員の常駐が必要な自治体があります。

「台東区」が挙げられます。*3

その場合、従業員が常駐するためのスペースが別途必要になります。
具体的には、常駐のためのスペース、仮眠、トレイの3点になります。

なお、条例などには、この3点は具体的には記載されていませんが、
解釈・運用として、最低限これらの設備がないと常駐できず、常駐しているとは言えないとの判断です。

バックオフィスは、予備リネン・掃除用具の保管場所などが想定されます。

客室

まずは、客室の範囲を決めます。

次に客室内のスペースを検討しましょう。

  • 寝具を設置するスペース

  • ソファーやテーブル・椅子を置き休憩するスペース

  • トイレ、洗面、バスの水回りスペース

これらのスペース(面積)や設備の状況(面積、蛇口の数、冷温水、浴槽の有無など)が、条例(旅館業の許可を管轄している自治体が定めている旅館業法施行条例)より、規制(最低限、必要な状態)が入っている場合があります。

そのため、一旦、事業者がしたい形を決めた上、
その形が法令・条例の最低基準を満たすのかを検討する必要があります。

共用部:宿泊者が利用できる部分

具体例

  • 共同のトイレ、洗面、バスの水回り

  • ロビー

  • 食堂

  • 談話室

共同の水回りは、客室内の水回りを設置するなら、
不要になる場合もあります。
そのほかも、設置は任意です。


参照条文

*1
旅館業の施設と住居その他居住の用に供する施設を区画し、混在しない構造とすること。

東京都台東区旅館業法施行条例 (旅館・ホテル営業の施設の構造設備の基準) 第8条 第13号

*2
第8条第2号ロからニまで及び第3号から第13号までの規定は、簡易宿所営業の施設について準用する。

東京都台東区旅館業法施行条例 (簡易宿所営業の施設の構造設備の基準) 第9条 第3項

*3
旅館業の施設には、適正な運営を行うため、営業時間中に営業従事者を常駐させること。

東京都台東区旅館業法施行条例 (営業者の遵守事項) 第6条 第4号

★引用した条例は、令和5(2023)年11月30日現在、施行されているもの。


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岡部邦暁@代書人
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