見出し画像

メンターは神様じゃないし、自分で選べばいいし

私が人事をやっていたある外資系企業では「メンター制度」なるものがあった。 最近は多くの企業がこの制度を取り入れているようですね。

その企業では、社員全員ではなく、
所謂「ハイパフォーマー」といわれる成長の見込みがある社員や、
幹部候補に「メンター」を付ける。

「メンター」役は、これまた幹部候補社員。

この「メンター制度」って実際どの程度機能しているのか、
効果が上がっているのかは甚だ疑問に思ってた。
中には上手く行っている人たちもいらっしゃるんでしょうけど・・・

勿論、とても相性の良い人同士が「メンター」「メンティー」になったり、
「メンター」役がコーチングが上手かったりすると成果はあるのでしょうが、たいていは形式的なものになっているのではないかと思ってた。

制度では「メンティー」に対して、
「メンターにアポを取って会いにいけ」とか
「一緒に食事してアドバイスをもらえ」
とか言われるのだけど、

私自身も、いきなり知らない社員の「メンター」をやれ、
期間は一年間、と限定され、
同時期に「メンティー」として「メンター」役はだれそれだから
連絡を取れ、と指示を受け、

ただでさえ忙しいのに💦 お互いの上司が一方的にお仕着せで組んだ
「メンター」と「メンティー」役に閉口したし、

ある時期は
「メンターを自分で選んでその人に連絡して承諾を得てスタートしろ」、
というのもあった。

まあ、キャリア形成、自分の人生をどう生きていくのか・・・などについて、自分がロールモデルとしている人から話を聞いたり、アドバイスを受けるのはとても良いと思う。

しかしながら、
期間限定で、しかも強制的に組ませられるのってどうなの???
という疑問は、自分も人事でお仕着せペアを組みながら思ったものだ(笑)


振り返ると、
私自身、「この人」! とメンターを決めてきたわけではなく、自分の人生のステージやキャリアのステージが変わる度に相談相手は変わってきた。

相談する相手は、内容により変えていたし、同じテーマでも人によってアドバイスの内容は異なるので、常に複数の所謂「メンター」がいたと思う。

で、何が言いたいかというと、
「メンターの言う事を盲信してしまう」人がいる。

彼(彼女)の言う事を非常に真面目に聞いて
「メンターがこういったから」
「メンターはこのようにやっているから」
と、やっちゃって、上手く行かずに挫折したり、
自信を無くしちゃったりしちゃう人もいる。

メンターは、あくまでも「アドバイス」をしてくれるわけで、
あなたに「正解」をくれるわけじゃない。

そして、
メンターは神様じゃないから
言ったこと全てがあなたに当てはまったり、上手くいくわけじゃない。

彼(彼女)とあなたは別の人間。
メンターにとって上手くいったことが、必ずしもあなたにとって上手くいくわけじゃない。

だから、
「メンターのアドバイス通りにやってみたけど上手く行かなかった」、
ということで落ち込む必要もなければメンターのアドバイスを批評する必要もない。

そして、

会社の中で組まれる「メンター制度」は、あくまで

その会社の中で成功していくためには

というアドバイスを受ける、というスタンスでもいいと思う。

中には非常にメンター役として優秀で、キャリア設計の仕方や
生き方についてアドバイスしてくださる方もいるが、

「今のポジション向いてないし、外の方がもっと君を活かせる」
とかいって社外含めた広い視野で転職のアドバイスができるわけじゃない。
(そんなアドバイスしたら会社に睨まれるし(笑))

よって、

組織の外で、「あの人いいな」と思う方にアドバイス頂いたり、
ロールモデルとしたい方が複数いるなら、
それぞれからアドバイスいただいたり、

自分で自由に選んでアドバイスいただいたらいい

中には、
「私のメンターになってください」
とお願いして承諾いただく場合もあるようですが、

「もう結構です」って終わらせたりするんだろうか?

年上でも年下でも、自分と同じ分野ではなく、
ビジネスマンならアーティストの人にアドバイスもらってもいいと思う。

自分の世界の枠の中だけで生きていると見えないものはとても多いから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?