置かれた場所で咲きなさい
著者:渡辺和子
毎年年末、高校生のサッカー全国大会が行われる。全国約3,000校の頂点を決める大会は、
テレビでも中継され、サッカープレーヤーとしては、目標の舞台である。私もその1人であった。
サッカーは小学5年生に、5歳年下の弟と共に地元のチームに加入した。学年ごとにチームとなっており、僕は5年生のカテゴリーである。
周りは幼稚園の頃からサッカーを始めた子ばかりで、レベルの差を感じた。1年後、僕はなんとか試合に出れるようになった。加えて、チームを代表して、地区の選抜チームにも入れてもらえるレベルにまで成長した。
中学生になり、地元チームを引退した私は、クラブチームのセレクションに合格し加入をした。3年間通してそこそこの活躍をした私は、中学3年の夏、他県の強豪私立高校よりスカウトを受ける。
高校では在籍中、チームは、5回も全国大会に出場した。だが、私は一度もトップチームには行けず、2軍、3軍を行き来するような選手だった。3年の秋、高校最後の全国大会のメンバーから落ちた。その時、出会った本である。
この本は、著者の渡辺和子シスターが30歳間近で修道院に入り、36歳という異例の若さで学長に任命された際の苦労が述べられています。生徒さんはみなシスターより年上の方々ばかりで、無視をされたり、理解されない日々を過ごされているなかで、どのように信頼や理解を得たのかが述べられています。
「置かれた場所で咲きなさい」
不平や不満、自分の理想通りいかないことが世の中にはたくさんあるけれど、今の場所で、自分がもてるものを発揮し続ければ必ず見てくれている人がいる。
僕はそう解釈しました。全国大会に出ることは叶わなかったが、今できる事を全力で取りくればきっと輝くことができる。そんな勇気をくれた本です。