下ネタは、下ネタではない。
私は、やむを得ず下ネタを口にしている。
決して本意ではない。
色々なことが重なって本当に疲れているとき
いわゆる「脳死」で発する言葉。
人によっては
「大丈夫」「まだ全然いける」「モーマンタイ」
だいたいが自分を鼓舞する言葉かもしれません。
私の場合は「ち⚪︎こ」です。
夏目漱石のように
月を見ながら情緒あふれる言葉を発したりもできません。
どうしてもつらくてたまらない、
だけど詳細を話すと
話した相手の心も疲れさせてしまう、
でも、誰かと話したい。
そう思ったときは
「ち⚪︎こ」
その一言だけ、LINEで送ります。
クレイジーだし、
引かれるだろうなって思ってます。
もちろん、本当に仲の良い人にだけです。
捕まりたくないので。
アホやなって思ってます。
急にそんなワードを送られても困るだろうなって。
そんなある日、親しい友人から急に
「う⚪︎こ」
と送られてきました。
その友人は普段クールに構えていて、
自分の悩みは自身で受け止め、
しっかり解決できる人です。
いつも私の「ち⚪︎こ」LINEにも
「は?」
って返してくる愛情深い人です。
「どうしたんw珍しいやんw」
「ハンオンが、ち⚪︎こって送ってくる意味がやっとわかった。なにも考えたくないとき、思い浮かぶ単語って、結局これだよね」
領域展開する直前の段階です。
私は、友人がついに新たな一歩を踏み出したのかと嬉しい気持ちでいっぱいでした。
大丈夫だよ、
そこに辿り着いたら、あとは展開するだけだ…!
(何を言っている)
下ネタって、すごいです。
だいたい3文字なんです。
たった3文字で、真意をついて
想像もできて、
なおかつ発語もおもしろい。
ポンポンポン、カラカラカラ。
そんな感じでポップに認識できて、
なおかつ誰しもが日常で接する頻度の高い物体。
外国語を喋る方からすると
日本語ってスタッカートのような響きに聞こえているみたいですね。
ポップで、とてもかわいいらしい。
ああ、日本語って、下ネタなんだ…!
私は正式な日本語のワードを発しているだけなんだ!
つまりは「月が綺麗ですね」と「ち⚪︎こ」は両方、日本の情緒あふれる言葉なのです。
仮に後者に情緒があふれていなかったとしても、
「色んな意味を含んだ言葉」として使っている部分には差異がない。
「月が綺麗ですね」
(好き)
「今日は肌寒いです」
(もっと一緒にいたいです)
「ち⚪︎こ」
(しんどいな、でも言えない。分かって欲しい。)
「う⚪︎こ」
(わかるよ、同じ気持ちだ。)
ロマンティックに言わなくても
たった3文字で伝わります。
下ネタのワードを発案した人は本当に天才だと思います。
糸井重里さんの「くうねるあそぶ。」にも衝撃を受けましたが、
それより前からあったんですよね「ち⚪︎こ」って。
この単語が現代も未発掘だったら、
私が編み出したニューワードとして世に出したかった。
3文字でコピー大賞受賞してます。
いや、コピーじゃないか。
江戸時代から使われていた言葉ですからね。
日本に生まれてよかったです。