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初めはバラバラでも

今回は人材育成に関してです。

もくじ
1.緊張する新人
2.緊張する先輩
3.微笑む上司

1.緊張する新人

春はOJTの季節です。
これは前回の話しで少しまとめました。
春は出会いと別れが繰り返します。自分は何故かつらい思い出が多く、春は好きになれません。


しかし今年の春は違います。

毎日が幸せです。

この感覚はどこから来るのでしょう。自分の選択に狂いはなかったと実感しています。

しかしそんな自分も笑顔ばかりではありません。

新しい選択をしたからには、それなりに責任もあるし、それなりの緊張もある。


毎日が緊張の連続。それは嘘ではありません。


でも僕が毎日緊張の連続であることを悟られては、新人さんはもっと緊張するだろう。
そう思って毎日お芝居をしているわけです。緊張してないように・・・

緊張している新人さん。
そんな新人さんも少し動けるようになってきたでしょうか?
1日1日の成長が目まぐるしいです。
若さっていいなと本気で思います。笑

さて、緊張している新人さん。
仕事を楽しいと思えて取り組んでくれているでしょうか?

医療の世界は楽しいことばかりではありません。
厳しい現実にさらされることも多々あります。
リアリティショックを受けることもあるでしょう。
学生の頃とは違うリアルな現実と向き合い、専門職としての自覚と向き合い、初給与をもらう頃にはそのリアルさがピークに達すると思います。

自分の初給与。
何に使ったか、全く覚えてないですが、

これが社会人だ!

社会人になったんだとハッキリと自覚したのを今でも鮮明に覚えています。

社会人と言えば…
社会人基礎力と言うものがあります。

金谷さとみ 編集 リハビリテーション管理・運営実践ガイドブック メジカルビュー 2018

この本によれば
2006年に経済産業省が公表したもので、3つの能力と12の能力要素から成り立つ。とあります。

この中でも、「前に踏み出す力(アクション)」については、緊張感から中々前には踏み出せないのが現状です。

新人さんは、とにかく勇気を持って、一歩前に踏み出していって欲しいですね。


2.緊張する先輩

そんな中、新人さんだけでなく、実は新人さんを指導している先輩も緊張しているんですよね。
そんな緊張している先輩達。

どうして緊張しているのでしょうか?

まずは緊張している人を見ると、つい自分も緊張してしまいます。
そんな事もあるでしょう。
そして先輩達は、こんな事も考えているかもしれません。

今日伝えるべき内容はこれで良いか
伝え忘れはないか
他の指導者と比べて自分は劣ってないか
他の指導者と伝えるべき内容が異なっていないか
自分が診ている患者さんと同時進行で両方疎かになっていないか

こんな想いがあるかもしれません。

人が人に教えるわけですから、言い間違いや自身の解釈の違いにより、正確に伝わらないこともあります。また、受け手の認識の違いもあるので、双方向のコミュニケーションが何より重要であることはあえてい言うまでもありません。

緊張している先輩ではありますが
では、先輩指導者の好ましい対応とは、どのようなものがあるのでしょう。

斉藤秀之 編集 卒前・卒後教育に役立つ理学療法士育成OJTテキスト 文光堂 2017

この本によれば、「指導者の好ましい行動」として以下のようなことが書かれています。

・新人を手の掛かる弟や妹とのような眼差しで見守る
・いつもニコニコ笑顔で対応する
・新人のミスに迅速に対応する
・失敗時により優しく、成功時により高みを目指す言葉をかける
・仕事の目的を明示できる
・症例の悩みに対して具体的に解決策を提示出来る
・一緒に仕事をしていると言う安心感を与える
・社会人として認め尊重する
・自身の学習や研究の補助を上手に依頼する
・指導者自身の元気さ、明るさ、冷静さ、丁寧さ、などを見せる
・指導者の上司に対して行う報告、連絡、相談を実践して近くで見せる
・スタッフや関連職種に対する気遣いを自然に見せる

緊張している先輩達。
何かを伝えることばかりに囚われていると、普段自分が行なっていることを棚に上げてしまうことがあります。
緊張せず、ありのままの姿を見せてあげられるように、その方が人間味があって良いと思います。

本当の意味でお手本になれるよう、先輩自らの気づきが必要ですね。


3.微笑む上司

緊張している新人と指導をしている先輩の様子を見て、微笑んでいる上司がここにいます。
それは私のことです。笑


このような場面はいままで多く遭遇してきたはずなのに、自分だって緊張しているはずなのに、なぜか冷静にその指導風景を見守ることができています。
自分でも実に不思議だなと思います。今まではつい口を挟みたくなっていました。
まあ、余計なお節介でしたね。
新人と先輩との間では、目には見えないしっかりとした信頼関係が成り立っているにも関わらず、出しゃばりおじさんをついつい演じていました。

放任するんじゃなくて、そっと見守る。
何かあれば適度に会話する。
上司(管理者)は、存在自体がかなりのパワーがあります。

管理者の立場である上司は、常に笑顔を心がけ、

後輩職員の心理的安全性を確保できるようにならないといけません。


ピョートル・フェリクス・グジバチ著 世界最高のチーム グーグル流「少数の人数」で「最大の成果」を生み出す方法 朝日新聞社 2018

この本によれば、
「心理的安全性とは、端的に言えば、メンバー一人ひとりが安心して、自分が自分らしくそのチームで働ける、ということ。自分らしく働くとは、自己認識、自己開示、自己表現ができるということです」
と述べています。

かつてのエリートの皆さん。オールドエリートの皆さんです。
現代は、ニューエリートの時代です。

時代に即したリーダーシップを発揮できるようになりたいものです。

初めはバラバラな思想や行動でも、緊張している新人も、先輩も、みんなが微笑み合える職場になれるよう、みんなの心が一つになれるよう、

良い意味での同調現象おこるよう長い目で期待したいものです。

光の屈折や波の波面で有名なホイヘンスの原理を産み出したオランダの物理学者ホイヘンス は、二つの壁掛けの振り子時計から偶然にもこの振り子が同調することを見出したとされています。

東京理科大学の池口徹先生がなされたメトロノームの有名な実験があります。
100個のメトロノームがバラバラに動いています。
これが時間をかけ同調し、一つのリズムを生み出します。
是非一度ご覧ください。圧巻です。

https://www.youtube.com/watch?v=suxu1bmPm2g&feature=share

これと同じように、初めはぎこちなくバラバラな動きをしている新人さんが加入したリハ職場でも、いつしか同じ思いで同じ動きができるんだと言うことを信じて、気を長く持って見守ってあげたいと思いますね。

我々には当然固有の振動数を持っていながらにして、このメトロノームの実験のように、同調という現象も可能なのです。

いつかは心が一つになると言うことを信じたいものです。

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