3月2日㈯
・推しの誕生日。めでたい。
かれこれ20年近く推しているが、ずっと好きでいさせてくださることはなんて偉大なことなのだろうと改めて感謝の気持ちで一杯になる。
生まれてきてくださってありがとうございます。
・ホテルの部屋に人間がいた痕跡を消す仕事。
フロントさんって基本みんなめちゃくちゃ愛想良くて、挨拶とかしたときもめちゃくちゃ笑顔で返してくださるんですけど、一人だけものすごく無愛想で怖い人がいる。
朝、その無表情鉄仮面フロントさんが、先月入ったばかりの新人清掃員さんを「あの、〇〇さんですよね?」
と突然呼び止めた。
他の清掃員さんはいつも9時30分までには来て着替えて準備をしているのだが、その新人さんはいつも9時45分くらいに出勤してくる。
タイムカード上の労働時間は10時からだから新人さんは全然遅刻でもなんでもないのだが、他の人よりも遅く来て重役出勤みたいな感じになっている新人さんにくぎを刺すために鉄仮面フロントさんが呼び止めたのだろう。
となると、その新人さんのさらに後ろを歩いて出勤してきている僕も怒られることになる。
新人さんはまだ入ったばかりで暗黙のルールを知らなかったから仕方ないねってなるけど、働きだして1年半近く経っているのにまだ堂々とのんびり出勤している僕は言い逃れが出来ない。どれだけ怒られてしまうのだろう、というか何故今になってそのことを怒ろうと思ったのだろう、朝から怒られるなんて嫌だな、テンション下がるな、
と思ってたら
鉄仮面「駅前のロッテリアで働いてましたよね?」
新人「あ、はい」
鉄仮面「私もあの時一緒に働いてたんです。覚えてますか?」
新人「あ、そういえば」
っていう、久しぶりの奇跡の再会女子トークだった。
久しぶりの奇跡の再会女子トークだけど二人とも無愛想で無表情だから、傍から見てると久しぶりの奇跡の再会感が薄かった。
・清掃が終わりかけの最後の拭き上げの時に、冷蔵庫の上の隙間にお客さんが忘れていったモナ王を発見した。
部屋の忘れ物は、こんなもんのために取りに戻ってくるお客さんいないだろ、というものであっても捨てずに部屋番号と日付と清掃担当者の名前を書いた「忘れ物カード」を貼り付けて保管しておく決まりになっている。
明らかに保管してもしょうがないじゃん、ってものでも事務室まで持っていかないとベテランお局熟女に怒られてしまうので、みんな律義に生ものとかアイスであってもちゃんと持ってきている。
なので僕もモナ王を事務室まで持っていって忘れ物カードを貼って保管場所に置いて、事務室の奥のカーテン一枚で仕切った男子着替えスペースで着替えていた。
そしたら、お局熟女のAさん(真木マイクみたいな白髪ロン毛)(ハリーポッターのような丸眼鏡)(金融関係の会社で働いていたが「人間関係でちょと」あって退職してこのホテルに来た)がやって来て、
「ちょっと、往生際くんそっちいる?」
とカーテン越しに大声で話しかけてきた。
「あ、はい、います!」
と、露天風呂で男風呂と女風呂の岩越しに喋るみたいな、修学旅行のエモい青春1ページみたいな感じで会話することになった。
A「ちょっと、アイスなんて持ってきてどうすんのよ!溶けちゃうじゃない!」
僕「あ、すいません!」
A「アイスは持ってこなくていいのよ!」
僕「あ、すいません!」
A「ほんと、どうすんのよ、アイスなんて持ってきて!」
僕「すいません!」
A「ほんと、アイス、これ、どうすんのよ!」
僕「すいません!」
A「アイス、溶けちゃうじゃない、これ、どうすんのよ!」
って、すごくしつこかった。
・帰り際に美人同僚Hさんとすれ違って、軽く挨拶。
革ジャンを着ていた。お洒落。
Hさんが年上なのか年下なのかも知らないし、子持ち人妻なのか独身なのか下手したらまだ未成年なのかどうかすら、全くわからなくてミステリアスの極み。
31歳の男が同世代とかちょっと年上の同僚に勝手に恋心めいたものを抱くだけでも相手からしたら怖いだろうに、もしHさんが20代前半とか10代とかだったとしたら、さすがにそんな若い人に31歳が恋心抱いちゃうと法で裁かれる。
仮に司法の手が私に追いついていなくて法で私を裁けないとしても、ただ単に法で裁けないというだけの犯罪、って感じがする。
なので、Hさんの大まかな年齢だけでも知っておきたい。HIKAKINのことを「HIKAKINさん」って呼ぶのは00年代以降に生まれた人だけだから、どうにかしてHIKAKINの話題を振って判断したい。
HIKAKINの話題どころか「おはようございます」「お疲れ様です」「お疲れ様でした」以外の言葉を交わしたことがないのに。この1年半で。
・ローソンでおにぎりとパンを食べる。
・人妻の家に行ってその家に住んでいる子供に知恵を授ける仕事。
最近指導が始まったSさん。
ゲームが大好きな子で、一度ゲームの話を喋りだすとノンストップでずっとしゃべり続ける。
「はいっもう終わり!授業に戻ろう!」
って無理やり話を切り上げるのは、なんか傷つけてしまいそうだから、どこか話のキリがいいところで
「そうなんだー、あ、でこの問題なんだけど、」
とさりげなく促したい。
んだけど、全然話の切れ目無しでずっとマシンガントークをかましてくるから、結局ほとんどがSさんの高速ラップヤバスギルスキルワンマンライブとなってしまい、全然勉強を進めることができなかった。
13年も講師の仕事してるのに俺はなんて技術不足なんだ、と帰り道で落ち込んだが、しかしよくよく考えたらテレフォンショッキングに黒柳徹子が来たときのタモリも徹子のトークを止められずにその日は結局他のコーナーを全部潰して徹子に1時間近く喋らせてしまってたから、あの百戦錬磨のタモリさんでもノンストップで喋る人を止めることはできないんだから、じゃあ俺が無理なのは当たり前じゃん!なーんだ!
って、落ち込むのをやめた。
・大学の先輩とやっている、毎週新作落語を作るpodcastの収録。
今日はゲームが大好きな40代のポッドキャスターさんとのコラボ収録。
ゲーム大好きな小学生の話を延々聞いてきた後でゲーム大好きな40代の人の話を聞くことになるとは、と思ったけど全然楽しい時間を過ごせた。
もしお金が余っていましたら、ください。