事故当事者のSNSに遺族は激怒。怒りの本質を正しく理解してるのか 傍聴小景 #104(過失運転致死)
どうしても、交通事故死の裁判には慣れることができません。慣れる必要もないのかもしれませんが。
遺族の悲痛な思いを聞くのはもちろん辛いです。
でも、他の事件と違って、故意ではなく過失なので、被告人に同情してしまうことも多くなります。しかし、やはり人が死亡するという最悪の結果に、また遺族の側へ心を引きずりこまれ、そんな心情の一進一退に心が追い付かないのです。
今回もとても辛い話です。
はじめに ~大人しめの被告人と多数の被害者関係者席と~
刑事裁判の被告人というのは、9:1くらいで男が圧倒的なのですが、過失運転致死傷でいうと7:3くらいと、若干女性の割合が増えます。スピード違反とか無免許とかの道路交通法違反系だと、また9:1くらいで男なのですが。
被告人は20代の女性。
スーツを着用し、とても大人しそうな雰囲気を感じます。法廷に入ると、傍聴席の関係者席に向けて一礼をしました。
そしてその視線の先ですが、9席ほどが関係者席として事前に確保されていました。死亡事故とは言え、この席数はかなり多め。被害者はとても慕われるなどしていたことが容易に想像できます。
事件の概要(起訴状の要約)
年配の方にありそうな、ブレーキとアクセルの踏み間違えですが、実際に裁判で聞いたのは初めてでした。しかもそれが、20代でというので珍しさがさらに増しています。
ハンドルの急激な操作もあったようですし、亡くなった被害者にとっては本当に唐突なとても辛い事故だったのではないでしょうか。
採用された証拠類 ~事故後に見つけた被告人のSNS~
運転技術が未熟な被告人が、いきなりハイエースを運転して起こした事故のようです。
ただでさえ大きい車で初心者向けじゃないのに、家族以外の大勢の同乗者で遊んで帰ってのタイミングで集中力もだいぶ欠けていたのではないでしょうか。
そして後々響いてきそうな、SNS問題。「いいね」を押したり、発信だけで怒るというのは考えにくいので、その内容が問題なのでしょう。
本名でやっていたのでしょうか。それでかつ、遺族サイドも検索してチェックなどしていたのでしょうか。
被害者関係者席も多く、SNSといった、いかにも怒りが増幅しそうな単語も出てきて、この後の裁判がどうなるのかと恐くなりました。
証人尋問 ~その行動に遺族への思いはあったか~
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