懲役4ヶ月の実刑ってどんな罪?(邸宅侵入) 傍聴小景#59
僕、なんとかお金持ちになって、家に和室を設けてそこの掛け軸に
「住居侵入または邸宅侵入のみの罪名の裁判は当たり」って書道家雇って書いてもらいたいんですよね。
という、全38歳が書く文章の中で最も低能な書き出しで始まりましたが、僕の中では結構この説当たってます。
この罪名は「正当な理由がないのに」、住居その他に入ることを禁じているものですが、だいたいこの「正当な理由がないのに」というのは窃盗だったり、わいせつ行為だったり犯罪行為が絡むものです。ただ、今回のようにそれらがなく罪名が「邸宅侵入」だったりすると、その侵入の理由が謎過ぎたり、軽めの話が多くてとても気になるのです。
だから、刺激的な話が好きな人は今回の話は微妙でしょうけど、新聞に取り扱われないというレベルでなく、スポーツ紙の夕刊にも秒で却下されるようなマイナー感を楽しみたい方は是非。
はじめに ~名前は武闘派だけど寡黙な被告人~
法廷の裏から手錠をつけられて連れられた東南アジア系に見える被告人は、その両脇を4名の警察官に囲まれています。普通は2名なのですが、裁判で不規則発言を繰り返す人だったり、暴れる恐れありと判断された場合はこの措置がとられます。
しかし、どう見てもファイタータイプでなく、どちらかといえば、というか明らかにぼーっとしています。
冒頭の裁判手続きの本人確認なども、小さい声でぼそぼそ言うだけ。ちょっと不安なスタートです。
ちなみに東南アジア系のお顔と言いましたが、姓は日本的で名は片仮名(某歌舞伎役者を襲った人と同じ名)で恐らくハーフなのかと思います。しかし、日本語は全くわからないようなので通訳がつきます。
事件の概要(起訴状の要約)
あまりに短かったから、思い出せる範囲で最大限書いちゃった。
冒頭に書いた通り、とにかく入っただけ。しかもベランダから侵入とかでもなく、普通に玄関扉から敷地内に入ったというもの。
では、その目的がいかなるものなのか、罪に問えない小さなものなのか、罪に問うだけの証拠が揃っていないのか、本当に謎なのか。
過去には、住居侵入のみで問われていた裁判で、検察官は窃盗目的で侵入したと主張したものの、実際何かに手をつけたわけでもなく玄関から入って家主に見つかって「出てけ」と言われて出て行って罰金10万円というのがありました。今回もそのパターンなのか?
この件に関しての被告人の認否を聞きます。ここでひと悶着が。
序盤からバタバタです。
最後まで、被告人のぼーっとしている感じは、病気なのか、その他の要因なのかの証明がされることはなかったので、幾度となくこういったバタつきがありました。
ただ、このバタつきもある種大切なことで、僕が大学生のときだった15年ほど前の裁判だったら、「あとは弁護士さんに聞いておいてくださいね」って感じで、裁判官はサクサク進めることが多分多かったのですが、今は手続きをちゃんと踏んでいる感じがします。
検察官の冒頭陳述 ~これで実刑になるのか?~
検察官が証拠によって証明を行おうとする内容の冒頭陳述が始まります。ここで、ようやくこの建物に入った理由がわかります。
想像以上に、建物に入って何もしていなかったw
叔母に会うためになんという執念なのでしょうか。これが生きるためと言われたら、そう強くも否定できませんが、ここまで事情もわかってて会えないというのは、やはりなにか事情がありそうです。
令和4年だけで2回も罪を重ね、この裁判も令和4年に行われたものなので3回目の裁判。ってか今回のも有罪認定されたら、マンションに叔母に会いに行っただけで実刑確定だな、これはなかなか考えるものがある。
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