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大学生が涙目になる裁判 その理由は「死んだ方がマシ」と被告人が語るより一歩先を見据えており  #136(公務執行妨害)

最近、大学生の前で裁判について話す機会が何度かありまして。
このような話をすると「法学部?」と聞かれるんですが、そうではないんです(法学部の先生方、お声がけお待ちしておりまーす)。

それぞれの学部さんで学ばれていることと、裁判が接するポイントなどについてお話しをさせていただき、教科書通りにはいかない、実社会のしんどさみたいな話をさせていただくのです。
ということで、その学部さんのご要望に合わせた裁判事例を多数紹介などしたりするのですが、ある日の講演でべらぼうに学生さんの反応が良かった裁判がありました。
その反応が個人的に割と面白いなと思ったので、今日はそれを紹介。


はじめに ~年配+公務執行妨害=???~

罪名 :公務執行妨害
被告人:70代の男性
傍聴席:4人

被告人は短髪白髪の年配男性。見た目は年齢相応ですが、喋りはそこそこに達者
年配で喋りがそこそこで、公務執行妨害という罪名が重なると、国家権力に反発する爺さんという姿を想像するんですが、聞くとかなり意外な事件内容でした。


事件の概要(起訴状の要約)

被告人は、別件の窃盗被疑事件の人定のために被告人宅に訪れた警察官に対して、手に持った包丁を突き付けて、その公務の執行を妨害した

この内容だけなら、前述の「国家権力に反発する爺さん」だったり、「捜査に協力したくない爺さん」という絵面が成立するのですが、事件の実情はだいぶ異なるものでした。

そして、この事件に興味深々に聞いてくれたのは「福祉」に関する学部の学生さんでした。ここから福祉とどう関わってくるのでしょう。


採用された証拠類 ~俺を撃ち殺してくれ~

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