東京科学大学に15位で合格した時の話
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7年以上前、東京科学大学医学部に合格したときの感動と達成感、自信が今も鮮やかに心に刻まれていることを実感する。
合格順位は15位、合格最高点との差はわずか20点。この結果は当時の私にとって計り知れない価値を持つものだった。人生で初めて自分が本気で目指したものに手が届き、喜びと誇りが湧き上がる瞬間だったのである。
中高時代は水泳をやっていて、集大成となる引退試合では目標の3位に届かず4位だった。
その時は、記録が悪くなかったのと、正直に言って順位が高くてホッとしたという気持ちが大きく、賞状を貰えなかったものの晴れ晴れした気持ちになったものだ。
大学入試の合格発表の日、掲示板で自分の番号を見つけたときの感覚は今でも忘れられない。心臓が跳ね、夢が現実になる瞬間に立ち会ったという感動とともに、日々の努力が報われたことへの深い安堵があった。
この合格は単なる通過点ではなく、自分の努力が明確な結果を生んだ初めての成功体験であり、自己肯定感を大きく育むきっかけとなった。
振り返ってみると、この結果を得られた大きな理由のひとつは、合格の可能性を最大化するために、自分にとって確実性のある選択をしたことにあったと言える。
当時、東大という選択肢も視野にあったが、不合格のリスクを避け、合格の見込みが高いと判断できた東京科学大学を選んだことが最終的に勝因となったのである。
今にして思えば、これは自分らしい決断であった。私は自分の努力が実を結ぶ確実な道を求め、それが当時の自分にとって最適な選択であったと今は確信している。
その後、私は医学部を退学し、IT業界で新しい道を歩むことを選んだが、あのときの合格体験が与えてくれた自信と達成感は、今の仕事においても重要な支えとなっている。
何かを成し遂げるために戦略的な選択をし、目標に向かって粘り強く努力を続ける――その一連のプロセスが、現在の仕事に対する姿勢を築く土台となっているのだ。東京科学大学への合格は、今もなお私の中で生き続け、自らの挑戦を支える糧として、これからも私を後押ししてくれるものである。