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2024年を振り返る

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2024年は、私にとって「静けさ」の年だった。それは単に外面的な活動を減らしただけでなく、内面的な変化を求めた一年だったと言える。


約5年間続けてきたYouTube活動を完全にやめ、一人での行動を選択したことが、その象徴的な出来事だった。人との関わりを積極的に求めてきたこれまでの生活から、意識的に一歩引く。そんな選択には、不安も期待も入り混じっていた。


これまでの私は、YouTubeを通じて多くの人と出会い、繋がりを育んできた。その過程では、自分が人々の関心を引くためにどう振る舞うべきかを常に考え、時には「役割」を演じることもあった。


そうした努力は確かに自分を成長させ、広い視野を与えてくれたが、同時に疲弊をもたらしたことも否めない。そして、「他者に迷惑をかけない生き方をしたい」という気持ちが心の中で膨らんでいった。


この「迷惑をかけない」という感情には、自分の行動が他者にどのような影響を与えているのかを過剰に意識する側面が含まれている。裏を返せば、それは他者の目を気にしすぎる生き方からの脱却を意味していたのかもしれない。


YouTubeを辞め、単独行動を始めた当初は戸惑いの連続だった。これまで当たり前だった他者からのフィードバックがほとんどなくなり、自分の存在が薄れていくような感覚に苛まれた。


人は、自分が誰かに見られているという感覚を通じて自らの存在を実感する部分がある。それを失うということは、自分自身に向き合わざるを得ない状況を生む。私は、この孤独とも言える状態をどう捉えるべきか、長い時間をかけて考えた。


そんな中で、少しずつ気づいたことがある。それは、「孤独は選べるが、自由もまた選択の結果である」ということだ。自由という言葉には明るくポジティブな響きがあるが、それは責任を伴う選択でもある。


誰にも縛られない代わりに、すべての行動に対して自分が責任を持たなければならない。このことを意識し始めてから、単独行動は単なる孤立ではなく、自己と向き合うための新たな挑戦だと感じるようになった。


具体的な成果もいくつか挙げられる。高田馬場のブックカフェに自分の本を置いてもらうことができたのは、一人で動いていたからこその成功だ。


また、noteで発信した記事が思いがけず広がり、多くの人に読まれる喜びを感じる機会にも恵まれた。これらの経験を通じて、「一人でできることの可能性」を実感できたことは、大きな収穫だったと言える。


ただ、単独行動を貫く中で痛感したのは、「他者と接点を持たない」という選択そのものが、完全に孤立するわけではないということだ。


一人で行動する中でも、他者の力を借りる瞬間や、他者との間に生まれるささやかな繋がりがある。それは以前のような密接な人間関係ではないかもしれないが、より軽やかで柔軟な関係だ。


現在、私はAmazonを通じて出版活動を行っている。YouTubeを辞めた後も、私が運営する10人程度の小さなコミュニティは健在で、その中から来年以降、次々と新人作家を世に送り出す予定だ。


私の特徴ともいえるSNS上での機械的な振る舞いは、時に周囲から「怖い」と感じられることもある。しかし、書籍を出版する上でこの機械的なノウハウが現在かなり蓄積し、他者に役立てる準備ができたと考えている。


作家として自分自身の活動を続けることはもちろんだが、来年は一歩進んで、出版社としても努力を重ねていきたい。新人作家の育成や、出版業界に新しい風を吹き込むための挑戦を通じて、私の行動が他者の可能性を広げる一助となるようにしたいと思う。それが、自分の生き方や単独行動の成果を社会に還元する方法の一つだと信じている。




他者と距離を置くことで見えてくる相手の優しさや、自分の中に眠る独立心。これらは、単独行動を通じて初めて気づいた発見だった。


振り返ってみると、2024年は「孤独」と「自由」が二律背反ではなく、共存可能であることを学んだ年だった。


孤独の中で自由を見出し、自由の中で孤独と向き合う。そんな心の動きがあったからこそ、この一年を単なる変化の年ではなく、成長の年だと捉えることができる。


これからも、私の歩みは続く。一人だからこそできること、一人でいるからこそ深く考えられることを大切にしながら、新たなつながりや目標を見つけていきたい。そして、その歩みの中で、今まで以上に「自分らしい」生き方を追求していけたらと思う。




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