![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/168956135/rectangle_large_type_2_4a2a3bc65999ca01f024a4eb1a0bd10a.jpeg?width=1200)
【古文書を読む】江戸時代の大地震
お字書き道TALKSは「書道や文字って面白いし楽しいよ!」と何とかお伝えしたい!そんなチャンネルです。YouTube、Podcastもよろしく! スキ&フォローお願いいたします。
![](https://assets.st-note.com/img/1736077331-uieVdpsRnPKatcWIMYjzLkZx.png?width=1200)
地震列島日本。いつどこで大地震が起きてもおかしくありません。
特に2011年の東日本大震災以降は、何事も起きていない日常の中でもうっすらと地震に対する恐怖感を抱いている人も多いことと思います。
筆者が住むのは東京ですが、昨年のお正月に発生した能登半島地震も肝を冷やしました。
実際に被害に遭われました方へお見舞い申し上げます。
文明は進んでも、時代は進んでも、地震が起きることを止めることはできません。おそらく古代から地震の頻度はさほど変わっていないのでは。
今回は、江戸時代の大地震に関する古文書を読んでみたいと思います。
▼これまでの古文書シリーズ
【古文書を読む】幕末・明治の文字『五箇条の御誓文』『五榜の掲示』
【古文書を読む】本居宣長『古事記伝』
【古文書を読む】江戸時代のカステラレシピ
【古文書を読む】江戸時代の離婚届!!
過去100年間の大地震
江戸の地震を見る前にここ100年ほどの大地震を見ておきましょう。
(年)(地震名称)(マグニチュード)
1923年 関東大震災 7.9
1945年 三河地震 6.8
1946年 南海地震 8.0
1948年 福井地震 7.1
1993年 北海道南西沖地震 7.8
1995年 阪神・淡路大震災 7.3
2007年 新潟県中越沖地震 6.8
2011年 東日本大震災 9.0
2016年 熊本地震 7.3
2024年 能登半島地震 7.6
防災の日(9月1日)としても有名な関東大震災。筆者はアニメ映画『風立ちぬ』の中で地面が波打った表現がとても印象的でした。
終戦~戦後の時期に大きな地震(死者1,000~3,000人レベル)が立て続けに起きたようですが、戦後のどさくさであまり有名ではないかもしれません。
そしてやはり、歴代の大地震を見ても東日本大震災は群を抜いて巨大な地震だったようです。
去年2024年には能登半島地震が起き、南海トラフ地震や首都直下型地震も実しやかに囁かれています。
安政江戸地震
江戸時代は約270年ほど。
現在のように地震の大きさを計る尺度もなければ、被害状況の詳細な記録も残っていないわけですが、やはり幾度かの大地震が起きていたようです。
有名なのが、安政江戸地震。江戸時代の後期、1855年に都市部江戸を襲った地震です。
地震が起きた時:安政2年10月2日夜四ッ時
1855年11月11日21時30分ごろ
震源:東京湾北部
地震の規模:マグニチュードM7.0~7.2(推定)
震源の深さ:40~50km(推定)
当時の将軍:徳川家定
当時の天皇:孝明天皇
安政の時代は1855年~1860年の約5年間。江戸で起きたこの「安政江戸地震」以外にも、方々で立て続けに大きな地震があったとのこと。
その上、安政の大獄(1858年/安政5年)および、桜田門外の変(1860年/安政7年)など、江戸幕府が倒れるきっかけとなる事件が多々起きた時期でもあります。
安政江戸地震は、いわば首都直下地震。震度6以上の大揺れが江戸を中心に襲い、周辺の埼玉や千葉、神奈川にも被害をもたらしました。
当時はまだ電気の無い時代。夜に起きた地震により、人々は行燈などに火を灯したことにより火災の被害が広まったと言われています。
死者数は、家屋の倒壊と火災により少なくとも7,000人以上と考えられています。
学校で学ぶ歴史ではあまり出てきませんが、もしかすると江戸の街が大きな被害を受けたことも、倒幕のひとつの原因だったかも・・・??
江戸時代の大地震に関する古文書
江戸時代の地震に関する資料(記録や日記、地震にまつわる物語等)は数多くありますが、今回はこちらを取り上げ、翻刻してみたいと思います。
▼翻刻(ほんこく)
昔の文書の文字を、現代の活字等に改めること
![](https://assets.st-note.com/img/1736081108-LOyIFvwXEezMH5aYQdrpklqJ.png?width=1200)
嘉永7年は1854年11月4日。つまり安政江戸地震が起きる一年ほど前。おそらくこれは紀伊半島付近で起きた「安政南海地震」と呼ばれる地震のことを指しているものと思われます。
黄色 → 読み方
水色 → 書かれている文字
黄緑 → 変体仮名
![](https://assets.st-note.com/img/1736816677-FZSdJY57UzwDxO6g2e4TIapA.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1736084568-VA3TK5z1GJ8SQurL7EhZB62U.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1736084555-QGqehCNvkOJ5dbTmDVXrYZft.png?width=1200)
▼現代語訳
大地震末代噺種
嘉永7年(甲寅)11月4日。朝5つ時(午前8時頃)過ぎから大地震が起きました。それから昼夜を通して少しずつ揺れ、5日の昼7つ時(午後4時頃)過ぎにまたまた大きく揺れ、夜5つ半時(午後9時頃)頃にまた大きく揺れました。
それからは特に大きな揺れはなかったと言っても、大抵の家屋は倒壊し、壊れました。図のように大きな道に畳を敷いて、あるいは小屋を作って夜を明かしました。このことは前代未聞のことです。
余震も含め、かなり揺れていたことが分かります。時刻の表し方が何だか怪談ばなしのようにも思えてきます。この話によれば、江戸時代は自宅の前?大通りに自分たちで仮設住宅を作っていたのですね。
読みつければ、ちょっとずつ進める!
筆者は書道家で草書や変体仮名がそれなりに分かるとは言え、古文書を読み始めたのはつい最近のこと。読み始めたときは、現代の日本語表記との違いに「読む」ことをストレスに感じていました。
しかし江戸時代の古文書は、使われる文字やくずし方が比較的決まっていて、見慣れてくれば読みやすいものだと思えるようになってきました。
数か月前よりも文章として見える感じ・・・!古文書を読むのはこういった自分の上達・進化が分かりやすいのも嬉しいこと!そして、文字が分かれば書かれている内容を粗方掴むことも可能!「読める」「分かる」は二重の喜びがあるように思います。
この1ページだけでは江戸時代の地震情報が少ない・・・というかもっと知りたくなってしまいました。江戸時代の地震や津波、気になる・・
この「大地震末代噺種」や江戸時代の地震情報は他にも数多くあるのでまたの機会に読んでみたいと思います!
noteのスキ♡はアカウントがない方でも押せるので、記事が面白かったと思った方は是非スキ♡押していってくださるととっても嬉しいです!
フォローも感謝感激!
※毎週火曜19時更新
『YouTube』も『Podcast』もよろしくお願いいたします↓↓↓
○YouTube
いいなと思ったら応援しよう!
![お字書き道TALKS|書道系ラジオ🎧𓈒 𓂂𓏸](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136278657/profile_4a14a5fb18df70da7c39d348cea8020a.png?width=600&crop=1:1,smart)