今は金なり。将棋の駒に見る草書体の話
皆さんは、将棋は嗜みますか?
筆者はやらない(できない)のですが・・・^^;
前回の草書体の記事を書いていて、そういえば将棋の駒の「金」!と思い当たった次第。
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将棋の駒の文字
将棋の駒は各種様々ありますが、お高い駒の文字は、江戸時代末期の書家巻 菱湖によるものが多いようです。
駒を裏返すと草書体!
将棋の駒の詳しい動きは省きますが、「成る」と駒を裏返しにします。そうすると、「銀将」「桂馬」「香車」「歩」は全て「金」の文字が出てきます。いわゆる【成銀(なりぎん)】【成桂(なりけい)】【成香(なりきょう)】【と金(ときん)】です。
実際の駒はこんな感じ↓↓
どれも裏は「金」で、くずし字です。
「銀将」⇒「桂馬」⇒「香車」の順に裏の「金」のくずし方がはげしくなっていきます。
香車の裏の「金」は、清水寺で書かれる2016年の今年の漢字の書き方と同じです。(ちなみに2021年も「金」でしたが、こちらは普通の書き方でした。)
「と金」は「今」!?
歩兵の成ったものを「と金」(ときん)、または「と」と言います。先述の通り、「銀将」⇒「桂馬」⇒「香車」の順に裏の「金」のくずし方が大きくなっていくとすると、「金」の慣れの果て!?と思いますが・・・
どう見てもひらがなの「と」と見える「と金」ですが、各種字典には「金」が「と」と書かれる事例はなく、実は「今」という文字の草書体、という説が有力なようです。
「今」の音読みは「キン」。「金」の1,2画目のカサの部分も同じ。これ以上くずせないから、これで代用しよう、という感じだったのかもしれません。
「金」=「と」が広まるあまり、カタカナの「ト」が書いてある駒もあるようですが、これは誤りではあるものの、俗的に市民権を得たものと考えられます。
字って色々ありますね、という文字大海原の小ネタでした!
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