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【記事末尾⇒写真多数】タケウチ、個展を終えて

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左:書道家タケウチ 右上:書道家板谷栄司with鯖大寺鯖次朗 右下:ジャズギタリストタナカ


個展個展こてんこてん、騒ぎ立てて申し訳ありません。

筆者タケウチ、人生初個展の会期を無事に終えましたので、このレポートをもってして個展を閉幕とさせていただきたく。

個展作品についてのYouTube動画はこちら↓↓



すてきギャラリー


今回個展会場でお借りしたのは、東京は牛込神楽坂「Rom maai(ロムマーイ)」。知名度の高い神楽坂からは徒歩15分ほど、閑静な住宅街にあります。

ギャラリー探しも初めてだった筆者は、特に伝手を辿ることもなく一からネットで近所のギャラリーを探しました。紆余曲折、たどり着いたのがこの「Rom maai(ロムマーイ)」。建物は一見植物に食われているのではないかと思うほどの鬱蒼とした緑に覆われ、入り口がよく分からない。

でも、ギャラリー内に足を踏み入れれば、なんと素敵なしつらえ!!筆者はインテリアもちょっと興味があるのですが、まさにドンピシャ。木を基調としているものの和風過ぎることはなく、白壁があったり、コンクリート壁面があったり、階段下の暗がりスペースがあったり、小上がりがあったり。(あとオーナーさんのお人柄が良すぎました。大好き。)

ここでやろう!即座にそう思いました。

このギャラリーの素晴らしさに、個展にお越しくださった方々も感銘を受け、「私もここを使わせてもらいたい」と何人もがおっしゃるのを耳にしました。


展示、インスタレーション


今回個展をやろうと思ったのは、筆者は圧倒的に展示経験が足りないと思うところからでした。

SNSなどでいくら作品イメージを共有できると言っても、書作品は基本的に現場で起きている。画像では質感まで分かることは難しい。

文字が書かれた和紙をピンと伸ばして(裏打ちして)額に入れたり、お軸に仕立てたりなどして、そしてどこかの壁面に飾る。服を着る、化粧をする、そこまでやらないと作品の完成とは言えないのではないか、そんな思いから個展に踏み切りました。

他のどこでもなく、ギャラリーRom maaiに飾って、眺めて、良いと思えるものに仕立てる。大きさはもちろん、壁の色味なども加味して表具を行いました(表具に失敗してしまった作品もありました)。
インスタレーションの貴重な練習経験となりました。

(会期前3度ほど伺ってイメージ確認しました。ギャラリーによっては、事前見学の回数が決まっているところもあります。)


助っ人と家族


今回の個展に際し、展示には大人3人の力をお借りしました。展示に慣れている友人、お手伝いをしたいと申し出てくださった古流松濤会いけばなの副家元、そして夫。

彼らにはもうなんとお礼をしたら良いのか・・・。頭が下がりっぱなしでどうしたら良いのか本当に分かりません。彼らの力が無ければ、全く個展を開くまで至れませんでした。

また筆者には5歳になる愛息がおりますが、会期中は19時まで保育園に行ってもらい(普段は17時半まで)ました。会期中お客様と飲みに行くこともあり、帰宅が深夜になることも。

体調を崩さなかったことだけでも有難いことだし、少しの泣き言は言っても、何とか1週間乗り切らせてくれたのは息子のおかげとも言えます。また、彼の面倒を、自らも仕事をしながら見てくれた夫のおかげです。

この個展を裏側で支えてくれた、身近な方々に、心よりお礼申し上げます。


お花とコラボレーション


搬出入を全面的にサポートしてくださった古流松濤会いけばなの副家元ですが、会場に添え花としてお花を生けていただきました。

筆者はいけばなはやっていませんが、元より植物が大好き。会場にお花があるのとないのでは、すてき度が全然違ったと思います。空間に色を与え、立体感を与え、生気を吹き込んでくださいました。

会期中、お花が咲いたり、葉っぱが萎れたり。そんな植物の動きを見るのが好きな筆者は、いくつもの意味でとても幸せな空間にいることができました。

今度は、いけばなが添え花ではなく、書といけばなのコラボレーションをしてみたい、と画策中です。


狼煙を上げる


2020年に行ったWeb個展「狼煙展」。そこから4年ほど経って初めてのリアル個展「Standing on the Shoulder of Giants」。

狼煙展」の際にも、作品を買ってくださった方と交流が生まれ、狼煙を上げた感慨に耽ったものでしたが、やはりリアル個展はその比ではありませんでした。

親族や、普段からお世話になっている方々の幅を超え、
ふらりと立ち寄ってくれた道すがらの方、
浜松から日帰りで来てくれた友人、
ぬっと現れたいつかの恩師、
茨城から自転車で駆けつけてくれた書道仲間、
岐阜から深夜バスで来てくれたSNSだけで知っていた書道仲間、
YouTube「お字書き道TALKS」の大ファンだと北海道から来てくださった方、
中学生のお子さんを連れてやってきた20年ぶりの高校の同級生、
最後の最後、滑り込みで来てくださったギャラリーの方・・・

想像だにしていなかった方々も沢山お越しくださいました。

私はまた、狼煙を上げたんだな、と思いました。インターネットで活動は知っていても、実際に足を運ぶという行為に及ぶことは思う以上にハードルが高いことだと思います。ましてやこんな世界の片隅で活動しているしがない書道家の個展に来てくださるなんて、本当に皆どんなハードルを飛び越えてきたのでしょう。(そういうことではない・・?)

私はここにいるよ!!と覚悟をもって狼煙を上げることから、事は始まったと思うと、私は自分にグッジョブと言いたいと思います。


個展おめでとうございます


ところで。個展を開くと「おめでとうございます」と言われるのが常。何なら、私の家族に向かって「この度はおめでとうございます。」と仰る方も何人もいました。

個展、というのは、基本的に誰かから頼まれて行う性質のものではありません。勝手に自腹を切って、勝手に告知をして、勝手に来て来て!と頼み込み、勝手に創作をしたものを他人様に見せつけて、なんならその評価などのお言葉まで求めようとする、そういう身勝手な行為、と言える気がします。(ギャラリー主催の企画展等ではまた話は別かもしれないけれど)

そんな身勝手さにどうして「おめでとう」なんだろうと、筆者はずっと疑問に思ってきました。まあ人様の個展の際には慣用句的に「おめでとうございます」と申し上げてはいるものの。

いざ自分が言われる側になっても、やはり違和感たっぷりにこの言葉を聞いていました。

ただ、今回自分が実際に個展なるものを開いてみて思ったのは、個展なんて恥ずかしいものを行う覚悟、に対して言われるものなのかもしれない、ということです。

「やりたくてやってんだろ」の一蹴ですが、改めて言えば、自分で個展を催すことはとても大変なことです。労力、時間、お金、すべてにおいて大変なことです。それでも、と催すのが個展です。

くるりの「東京」の歌詞の中に「恥ずかしい事無いようにみえますか」という一説がありますが、まさにそんな感じです。その恥ずかしさを超えて行うことに対して、やはりそれなりの覚悟が個展開催者には皆あるのではないでしょうか。

だから、「その覚悟を讃えます。おめでとうございます。」なのではないかと思うようになりました。


個展の様子(写真ギャラリー)


人生初個展、1週間10時-19時のRom maaiへの滞在はこの上なく楽しくもあり、大変でもありました。まだまだ頭がボーっとしておりますが、思い出の写真を掲載しておきます。良かったら見てくださいませ。

※作品画像はInstagramにてご覧くださいませ。

ありがとうございました!!!

竹内恵美子個展「Standing on the Shoulder of Giants」完。



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