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水深800メートルのシューベルト|第970話

「いやいや、すみませんねえ。そうだ、アシェル、今度陸に上がったら射撃訓練もこなさないと」
 セペタは目の前で引き金を引く動作をした。


「いや、なるべくしたくないね。銃は疫病神だよ。もうこりごり」
「他にも何かあったのか? 暴発でもさせたか?」
 彼は目を見開いて真剣な顔になった。僕が昔ギャングだったことを知っているトリーシャと目を合わせてから言った。


「まあ……そんなとこだね。僕はクラムジーだから」
 そう言いながらコーヒーを啜った。


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